
投稿第183号
第62回富士登山競争!
2009年8月6日
AAC会員
金本 順也氏
ラン仲間からこんな話題を聞いた。次の3つのレースで達成すればグランドスラムに
なると・・・その達成項目とは、
・フルマラソンをサブスリー
・100キロウルトラマラソンをサブテン
・富士登山競争での山頂までの完走
今年の上半期の目標として富士登山競争を選択した。これで達成すれば、グランドス
ラムであると。
この為の練習としてはやはり登りを重点的にやろうと、坂の練習ばかりをやり一番の
極めつけは、生駒山・暗峠7往復で、登り勾配が平均20%で一番きつい所では計測
勾配では24.5%。流石に10時から開始して練習が終わったのは夕方の5時だった。
7月梅雨明け予定(20日頃)あたりから日本各地でゲリラ雨で洪水が起きており雲行
きがとても妙で山でも遭難者が多発していた。そして、レース当日。何故か寝つきが
悪い夜だった。それ程プレッシャーを感じていたのかもしれない。これまで数々のレー
スを出ていても何度も感じるこのプレッシャー。
朝3時ごろ、外では雨の音が「ザ〜〜」と鳴り響いている。まさか…こんな雨で走る?
と誰もが思う状況だ。普通で言う土砂降りです。もう〜笑うしかないで〜と気持ちは
冷めていた。
そして4時過ぎでも雨の音はまだ変わらず。緊張感をなるべく睡眠で誤魔化そうとする
が、なかなか寝つきが悪すぎてとうとう、あまり寝れなかった。
宿泊先は、朝ごはんは4時半に用意してくれるという待遇で、参加者としてはとても有
難いサービスである。食堂へ向かいテーブルについたら若手のご主人が意外な事を
口走った。
ご主人「この調子なら…間違いなく山頂行きは中止ですね」
「どんなに雨でも5合目までは必ずやりますから…」
選手一同唖然としていた。
何とも言えない空気だったが、正直言ってそうなれば受け止めざる得ない。ただ、大
会本部が言うまでは信じないでおこうと思い身支度は山頂までしておき、手渡す手荷
物も最小限にはとどめて置いた。スタート会場に行くまではこの事で頭が一杯で少し
気が滅入る。
そして会場へ着くやいなや、スピーカーを使って各選手に案内していたのは山頂行き
は中止の決定であり、5合目で打ち切るというもの。「やっぱりか〜」という思いで、大
阪のチーム友達に速報メールを打電。
さて、レース本番である。ここからは落ち込もうがどうなろうが全く関係の無い勝負の
世界である。富士登山競争に出場は初めてなので起伏がわからないのは当然である
が、それなりの練習をしてきたのである程度いけるであろうと自分では思っていた。
しかし、現実はそんなに甘くない。
私の練習内容では急勾配の練習はしてきたが、緩い勾配が長く10キロ位続くような
練習はやってきていない。まさに想定外でした。しかもこの緩い勾配は延々まっすぐで、
ほとんど曲がりくれらない。嫌でも見える1キロ先の選手が多数見えるのである。
「え〜!あんなに未だ選手を抜かんとアカンねんや〜!」これは痛烈なストレスであ
る。なんて言うのかな…「こんなレース見た事無い…」としか言えない。
1時間を過ぎたあたりでアスファルトから古いコンクリート舗装の割れ目が沢山のとこ
ろへ入っていく。このあたりは割れ目が多すぎて走りにくすぎる。女の子の足ならはま
るくらいの溝があったりする。ところどころにわざと水溜りを2m程の木材で囲って作っ
た所がど真ん中にあったりして登山競争というよりアスレチック競技の様でもある。
こんなトラップとも言える箇所が最後まで続いていた。土の道になってきたら今度は階
段も多くなりダイトレを思い出させる。急峻な勾配も多数増えてきて、どの選手も走ら
なくなっている。それどころか道幅が狭くて抜く事ができない。
これが富士登山競争の妙技なのであろう。最初の緩やかな10キロ勾配を引き離すだ
け引き離して、道の狭い箇所では自分のペース配分で進める。今回、私はセオリーど
おりに次のことだけを留めた。
・来たこと無い道なので飛ばさない(変な悪路の存在もある為)
・スピードは至って同じにする。(つまりマイペース?)
・抜かれても抜き返さない意地を出さない(男女関係無く…)
結局、この事を守ったので5合目付近までギリギリの制限時間になってきた。「もしかし
て、制限時間アウトになるかもしれない…」こんなことが頭をよぎり、半分どーでもいい
やと思い始めていた。そうすると、応援をしてくれているスタッフの声が「あともう少し…」
と呼びかけてくれている。どこまでがあともう少しかわからないが、GPS時計の表示で
は2000mの標高はとっくに超えている。もう一人のスタッフが言った。「この登りを上が
ればゴールで〜す!」しかし、その登りはショートカットしているのか選手で停滞してい
た。その場では誰もが思ったようで、間に合わないと…
一瞬、頭の中をよぎったのが、「あそこなら抜けていける!」人が停滞しているので足
元が通りやすくなっていたので持っていた軍手をして四つん這いになって停滞している
選手の中をすり抜けていく。この時は面白い程、選手を抜けることが出来た。(笑)
まるで犬のように走る抜けるとは誰もが思わなかったようだ。
上がりきるとゴールラインを過ぎた。タイムは、2時間16分42秒。2時間さえ切れなか
った。中々、上手いこと戦略どおり行かないもの。
あ〜あ!丸坊主決定やわ〜5合目は人だかりで一杯だった。
(大会開催日:2009・7・24)
・参加者数(山頂コース男女):3129名
・制限時間内完走者:2157名
・完走率:68.9%
| 距離 | 区間 | 標高 | 標高差 | 気温差 | ペース | ラップ | タイム | ||
| スタート 富士吉田市役所 |
0.0 | 770 | 0 | 0 | 給水所有 | ||||
| 冨士浅間神社 | 3.0 | 850 | 80 | -0.5 | 給水所有 | 0:05:43 | 0:17:10 | 0:17:10 | |
| 中の茶屋 | 7.2 | 4.2 | 1,110 | 340 | -2.5 | 給水所有 | 0:05:43 | 0:24:01 | 0:41:11 |
| 大石茶屋 | 9.6 | 1,300 | 530 | -4 | |||||
| 馬返し | 10.8 | 3.6 | 1,450 | 680 | -4.5 | 給水所有 | 0:07:53 | 0:28:24 | 1:09:35 |
| 一合目 鈴原社 |
11.5 | 1,520 | 750 | -5 | |||||
| 二合目 御室浅間神社 |
12.6 | 1,720 | 950 | -6.5 | |||||
| 二合五勺 細尾野林道交差点 |
12.7 | 1.9 | 1,770 | 1,000 | -7 | 給水所有 | 0:14:09 | 0:26:53 | 1:36:28 |
| 三合目 三軒茶屋 |
12.8 | 1,840 | 1,070 | -7.5 | |||||
| 四合目 大黒小屋跡 |
13.5 | 1,970 | 1,200 | -8.5 | |||||
| 四合五勺 御座石 |
13.9 | 2,040 | 1,270 | -9 | |||||
| 五合目 佐藤小屋 |
15.0 | 2.3 | 2,230 | 1,460 | -10 | 給水所有 | 0:17:29 | 0:40:12 | 2:16:40 |
GPS計測でパソコンに取り込んだらこんな感じになりました。
さあ!富士登山競争に挑戦してみませんか?