
第237号
ウルトラトライアスロンIN丹後!
2010年10月1日
AAC会員
川崎 潔氏
マラソン界では、フルマラソンを完走したら、次はウルトラマラソンという選択肢が用意
されています。きれいな景色を眺め、美味しいものを食べながら、「旅感覚」でラン又
はウオークを楽しめます。
しかしトライアスロン界には身近にウルトラトライアスロンの大会がありません。「国内
に存在しないなら、自分で創ってみよう」と思って、2002年に村岡のウルトラマラ
ソン大会を利用してダブルアイアンマンに挑戦してみました。S:8km B:360km R:
84kmを35時間11分で完走しました。
その後毎年、但馬、丹波、丹後地方でウルトラトライアスロンをやっていたのですが、
ここ2年ほどご無沙汰でした。今回は参加者の門戸を広げる意図で、SBRを3日に分
けて宮古島の2倍の距離で開催することにしました。S:6kmB:310km
R:84kmの
「ダブルストロングマンIN丹後」と呼ぶことも可能です。私の結果を先に書いておき
ますが、S:2時間25分B:14時間47分R:10時間39分のトータル27時間51分で何
とか完走できました。
まさに今回は暑さとの戦いでした。特に丹後半島60kmウルトラマラソンに合流してか
らは、エードごとに水を被って、まさに皆生と同じような全身びしょ濡れ状態で、ウルト
ラマラソンを走りました。そのおかげで指がふやけてしまい、「まめ」がつぶれたのみ
ならず、左足の親指の爪が真っ黒になって死んでしまいました。
ところで話が少し横道にそれますが、私は暑さには極端に弱いようです。それは鍛
錬すれば克服できると信じて、1988年から、2002年まで15年連続で皆生大会に
出場しました。10時間切りを一度だけ果たした事がありますが、その年は一日中雨が
降ってくれていたように記憶しています。
晴れた年はバイクまで体調が良くても、ランに入ったとたん走れなくなり必ず4時間40
分以上はかかっていました。それで、AAC会長が全盛期に酷暑の中でも皆生のラン
を3時間半で走っていたと聞いた時は、驚きと同時に「このお方は人間じゃない、
モンスターだ!」との思いを強くしました。
ですから私がウルトラトライアスロンをやるのは、暑さから逃れて自分の好きなコース
でゆっくりバイク、ランを楽しみたいというコンセプトからです。スイムなどは、どこのプ
ールでやっても良いし、それはウルトラトライアスロン全体の時間的比重から見れば、
ほんの付け足し程度にしか過ぎません。今回も最初は会員制の「コナミ川西店」で
泳ぐつもりでしたが、直前に人が少なくて泳ぎやすい「るり渓温泉プール」に変更し
ました。
あくまでも「快適な環境で、美味しいものを食べながら、サイクリングと、ウルトラ
マラソンを心ゆくまで楽しむ、贅沢な趣味の延長」がウルトラトライアスロンです。
バイクで300km以上走るといっても、アベレージは時速20kmくらいですし、ウルトラ
マラソンも100km走る方から見れば、84kmなどは物足りない距離でしょうね。AAC
の皆さん、ぜひ一度気軽にチャレンジしてください。決して過酷なものではありません。
今回のウルトラの旅のテーマはバイクでは「新しくなった余部鉄橋」を見る事と、NH
Kの朝ドラ「ふたりっ子」の舞台となった「鎧駅」を見ることでした。篠山、青垣、遠坂
峠、和田山、を経て、神鍋高原を登り、全長4キロ近くの蘇武トンネルを通って村岡に
抜け、香住からようやく余部に着きました。
そして新鉄橋にご対面。それはすぐに大きな失望に変わりました。旧鉄橋は鉄製の
渋い茶色をしていたから、周りの風景に美しく溶け込んでいました。それなのに今度
の橋は、味気ないコンクリートの橋梁がポツ、ポツと存在するだけのものに成り果て
てしまいました。
「まあ強度だけ追求した建造物はそんなものだろう!」と、諦めて次の鎧駅に向
かいます。こちらは期待を裏切りませんでした。テレビで見たのと同じ、「のどかな漁
村と港のある風景」が目の前に広がりました。この景色に余部鉄橋の失望感も帳
消しにされたように感じました。
その後は豊岡、出石、久美浜を経て、丹後半島ウルトラマラソンの受付会場の網野
へ入ります。参加賞の袋にお米1キロが入っていたのには困りました。まだ自転車の
280km地点だったので、重い荷物を提げて自転車に乗れません。とそこに運よく、
同じく受付に来ていた、西川さん達に遭遇。思わずお米をプレゼントしますと言って持
って帰ってもらいました。それからメーターが310kmになるまで、久美浜湖の付近を
サイクリングして宿舎の「小天橋」に入りました。
翌日は5時に起きて、6時から走り始めました。60キロマラソンスタートの9時までに
一人で24km走っておかねばなりません。しかしバイクの蓄積疲労で脚が重い、重い。
今回のランの楽しみは、久美浜湖の周りを100kmのランナーが走ってくる方向と逆ま
わりに走り、トップから後ろの方までの、ほとんどのランナーの走り方を見る事でした。
5キロも走らないうちに、トップとすれ違いました。通常のフルマラソンのトップとのすれ
違いから見ると、何と遅いしストライドも小さい事か!
でも七竜峠を2回超え、後半に碇高原への登りがあるので、自然とそういう走りにな
るのだろうなあ。池條さんが30位くらいで通過。彼は豪快にストライドを取って、登り
坂をグイグイ走り去った。次いでAACのユニフォームを着た山崎さん、西川さんとすれ
ちがう。そして大村さん広井さんと続く。私もAACのユニフォームを着ていたので、声
をかけて頂いたけれど、すれ違いざまの短い時間なのでお顔がわからなかった方も
何人かありました。その失礼はどうぞお許し下さい。
この日のマラソンで、仲間とすれ違った時だけが唯一キロ5分台後半で走れたが、6
0キロの部がスタートした午前9時には直射日光が容赦なく照りつけて、キロ6分を超
す走りしかできなかった。さらに七竜峠ではキロ7分に落ち、網野の街を過ぎると、キ
ロ7分半以上かかるようになった。去年は60キロマラソンだけだったので、ほとんど
の区間で5キロごとのラップタイムをキロ5分弱で刻んでいたのに、えらい違いや。
その差が「ウルトラバイク」+「スタート前の24kmラン」の蓄積疲労によるものな
のだろうか?
でも今年は心拍数が上がってないので去年ほど苦しくないぞ。おまけに腹が減る。
60キロの部34キロ地点(自分のマラソンでは58キロ地点)の弥栄庁舎エードでは、
梨、ブドウ、ばら寿司、が出ると書いてあったので、それらを一通り食べつくした。なか
でもブドウは大好物の大粒のピオーネだったので、20個を一気食い。さらにうどんも
あったのでそれも食べた。バカ食いすると当然走れないけれど、それもよし。なんたっ
てグルメツアーとして、ウルトラマラソン大会を利用しているのだから。その後はずっと
キロ8分以上のラップタイムに落ちてしまった。キロ7分半で走っても、エードで十分休
憩して、食べるのだから当然、当然。
でも最後の5キロくらいはまともに走ろうと、スピードアップ。自分ではキロ5分台で走
っているつもりだったのに、ゴールしてから時計を見たら、35分以上かかっていた。
感覚が完全にボケてしまっている。これがウルトラトライアスロンのランというものなの
だろうか? 結局60キロマラソンとしては、去年より2時間14分遅い7時間39分でゴ
ールイン。ゴールでは西川さんが迎えて下さった。聞けばこの暑い中100キロを10
時間31分で走りきったとの事。すごい、すごい、サロマや四万十川のように涼しい大
会なら、軽く「サブ10達成」ですな。
このようにして今年の「ウルトラトライアスロンIN丹後」は終わった。自分の苦手な
暑い中、なんとかゴールまでたどり着けたのは、途中のエードで美味しいものを出し
て下さったボランティアの方たちと、100キロの部に出場してコース途中で声をかけ
て元気付けて下さったAACの仲間のおかげです。本当にありがとうございました。
(開催日:2010・9・17〜19)