IronmanWorldChampionshipレースレポート!

第305号
IronmanWorld
Championshipレースレポート!
2011年10月20日
JIC会員
小松亮氏

こんにちは。スペシャライズドの小松です。以前から個人的・会社的にも宣伝(喧伝?)を
しておりましたが、10月8日にHawaii,Konaで開催された世界のトライアスリートの夢の祭典
IronmanWorldChampionshipに出場してきました。レースレポートの前に、雑感を少々。
アマチュアの部のスタートは朝7時で、制限時間は深夜0時までの17時間となっています。
友人には「Hawaiiでは深夜0時の最後までレースを観戦すべき」といわれていたので、ゴー
ルした後シャワーを簡単に浴び、20時ごろからゴール付近で観戦しました。当然この時間
帯にゴールする選手の年齢層は高く、我々の年代と比較すれば絶対的なタイムは遅くなり
ます。でも、私が75歳、いや、65歳になった時にIronmanの距離のレースに参加しているこ
とは想像も出来ず、彼らがゴールする様子を見るのは言葉では言い表せない感動がありま
す。実際夜22時を過ぎると、ほとんどの選手はゴールしているので、頻繁に選手を見るこ
とは出来ません。でも、8ビートの音楽が大反響し、大観衆を飽きさせません。記憶が正し
ければ、23時40分頃に日本人の女性がゴールしました。23時59分を過ぎたときに、一人の
選手が帰ってきました。大観衆が彼を後押しします。残念ながら、0時00分02秒でゴールし
たため失格です。それでも、皆の心の中ではこの選手はIronmanです。スポーツがいかに感
動を与え勇気づけるか、選手として出場しないでもこの場にいるだけで肌に伝わります。
レースのMCは約1,800人の選手全員がゴールするたびに選手の名前、国名、出身地を呼び
あげ「Youareanironman!」と雄たけびを叫びます。トライアスロンというスポーツは年齢
にかかわらず、誰でも挑戦することが出来ます。そして、ゴールした人皆が勝者なのです。
年代別80歳以上の優勝者(80歳以上の出場者は3名だけですが)が優勝スピーチで「鍛錬
すれば、昨年の自分より強い自分を作ることが出来る、これがトライアスロンの魅力だ。」
と言っておられました。IronmanWorld
Championshipのイベント自体にアメリカ人特有の演出
が効果的にちりばめられているのは否定しませんが、努力することの高潔さがひしひしと
伝わってきます。だから、トライアスロンはこれだけ多くの人々を魅了するのでしょうね。
さて、本題に入ります。5日(水)に日本を出発、Hawaiiには同日の朝到着という旅程にし
ました。IronmanWorldChampionshipに出場すると決定してから、なんとスペシャライズドの
本社より新型トライアスロンBikeであるShivをプレゼントされました。世界選手権に出場す
るなんてそうそうあることではないので、レースを楽しみたいという気持ちの半面、New
 Shivの名に恥じない走りをしないといけないというプレッシャーもありました。今までやっ
てきた練習量を信じるだけです。新型Bikeに興味ある方は以下のリンクへ、掛け値なしに
このBikeはロケット並みの速さです。
http://www.specialized.com/ja/ja/bc/Shiv.jsp
http://www.specialized.com/ja/ja/bc/SBCWhatsNewDetail.jsp?article=10044
8日の朝は3時半に起床、おにぎりを5個食べてレース会場に向かいます。日の出は6時ごろ
なので、あたりはまだ真っ暗です。BodyMarking(腕にレース番号をマークすること)をし
てもらい、Bikeに水を補給します。準備万端、十分ストレッチをした後Swimの会場に向か
います。今まで日本とアジアのレースしか経験していない私にとり、大型選手ばかりの世
界選手権。立ち泳ぎしてスタートを待っている間、大型の欧米の選手の脚や腕がガンガン
あたります。痛いのなんの。。。サッカーの長友選手等がヨーロッパでフィジカル面でも
負けないでプレーしているのと比較すると、私は非常に貧弱で情けなく思えます。。。
筋肉隆々で体重を増やす必要はありませんが、フィジカル面で負けない体を作ることが来
年以降の課題の一つであること、Swimのスタートが始まってすぐに分かりました。
予選とは異なり、他人の脚を引っ張ったりするマナーの悪い選手はさすがにいませんが、
これだけの大集団になるととても自由に泳がしてくれません。大型選手がガンガンあたっ
てくるたび、真っすぐ進めずににコース取りがやり直しとなります。20分ほどすぎると、
集団もばらけてようやく普通に泳げるようになります。さすが、世界選手権だなと驚くの
は、周りに多くの女性選手がいること(Swimmingcapが青が男性、ピンクが女性のためすぐ
わかる)です。こんなに女性に囲まれて泳いだレースは過去一度もありません。。。
泳いでいるときは調子は悪くないと感じていましたが、Swimの結果をみてみると「えっ!
こんなに遅いの??」というタイムでした。コース取りが全然うまくいっていなかったと
思われます。ハワイではウエットスーツ禁止です。今回のレースは本社からもらった、Trii
スーツを使用しました。(ただ、パッドの部分があまりにも薄いので、Bikeパートでは自
転車用のショーツをはきました。)世界選手権であることがまざまざとする光景がT1に待
っていました。私の周りにはBikeが半分くらいしか残ってないのです。「えーまじかよ、
半分以上の人が僕より速いのかよ!?今まではトップクラスでT1に帰ってきたのに。。」
愕然とします。でも、今年になってから断然得意になったBikeで巻き返しを図ると決意し
ます。NewShiv発進です。
NewShivはその空力をいかんなく発揮します。たまに、とてつもなく速い欧米選手に抜か
れますが、それ以外は自分の方が明らかに速く多くの選手を抜いていきます。さすが、世
界選手権。ドラフティングをしている選手はほとんどありません。縦1列に等間隔に並んで

々とBikeの列が続きます。追い風参考ながら手元のサイクルコンピューターでは最初の60
KMを1時間37分台で入りました。この時Bikeは5時間を切れるんじゃないかと本気で思い
ました。その後に迎える3つの悪夢があるとも知らず。。。。
一つ目の悪夢(というか、「やっちまったぜ」という私のちょんぼ)
70KM付近のだらだらとした登りで、前の選手をなかなか抜くことが出来ないため、ドラフ
ティングの状況がかなり長時間続きました。これは、まずいなと思いましたが、時既に遅
し。マーシャルがやってきてRedCard。(ドラフティング次のペナルティBoxで4分間足
止めとなります。)4分のペナルティに精神的ダメージは結構大きかったですが、いつまで
もくよくよしてられません。このBikeコースではかなりの頻度でGel系を含むエイドステー
ション(AS)があることがわかったので、75KM付近から折り返し地点までの約15KM続く
きつい登りの前に用意したアミノ酸を全て補給しBikeを軽くするためボトルを捨てました。
また、どこにあるのかわからないけど、次のペナルティBoxでは4分間足止めされるので、
これはいい休憩になると前向きにとらえガンガンこいで行きました。
連続した二つ目、三つ目の悪夢
登っても登っても折り返し地点が見えない。補給食が足らなくなってきた。腹が減ってき
た。。。。やばい。。。。。ようやく見えた折り返し地点。すぐ近くにペナルティBoxもあ
ります。4分間の一時停止の間にとりあえず、小便をしてGel補給だけはします。ペナルテ
ィBoxを出てからは下りです。ゴリゴリこげるはずなのに力が入らない、ピーンと脚がつり
ました。軽いハンガーノックと脚つり。スピードが出ません。女性選手たちにも抜かれる
状況になりました。後はひたすらASでGelをもらって補給食を絶やさないようにしましたが、
結局Bikeパートの最後まで体が復活することはありませんでした。補給がうまくいった宮古
島とKoreaでは重くなることを犠牲にしてでもBikeに固形物の補給食を搭載しており、腹が
減りそうになった時補給食を食べて復活していました。
例年に比べ今年はまだ穏やかであったそうですが、Konaの風は噂通り。Bikeがひっくり返
るんじゃないかと思う横風がたまに吹き荒れます。レースの翌日車でBikeコースを走って
みましたが、Bikeに乗っているときにはあまり気づかなかったですが、かなりアップダウン
があり、こりゃきびいしいコースだと改めて感じました。今回のBikeのミスは前半のオーバ
ーペースとそれによるエネルギー切れと、補給ミス。全て自分の判断ミスです。
Bikeの時からGelばかり摂っていたので、Runのスタートから吐きそうでたまりませんでした。
また、Bikeの際攣った脚がビリビリします。42KM走り切れるのか?正直不安で仕方ありま
せんでした。エネルギー補給はちゃんとする必要があるのでACではオレンジとGelを口に入
れ、後は水で流しこむという作業を繰り返します。最初の15KM程はKonaの街の美しい海岸
線沿いを走ります。沿道で応援してくれる人の数が半端ではありません。さすがに彼らの見
ている前で吐くことはできないので、喉まで胃液が出てきても我慢します。
1キロ6分のスピードしか出ません。AC以外では絶対に立ち止まらない、手を抜かないとレ
ースの目標を変更せざるを得ませんでした。私より明らかに年配の選手にもどんどん抜か
れます。半分を過ぎたところ当たりで、エネルギー切れから復活したように感じられました
が、脚の復活はありませんでした。Runをスタートしてから約4時間後、再びKonaの街に戻
ってきます。ものすごい大歓声です。たまに日本語で「がんばれー」という声援も聞こえま
すし、「GoodJob!Ryo!」とゼッケンに刻まれている私の名前を呼んでくれる人もいます。
結果は以下の通り、ほぼちょうど平均点というところかな?

距離(KM)
タイム
全体順位
年齢別順位
Swim
3.86
1:08:39
Bike
180.2
5:52:58
Run
42.2
4:01:32
合計
226.26
10:44:27
873/1918
105/209
一つだけわかっていることがあります。今回のレースは不完全燃焼でした。Konaを楽しむ
というお気楽な気持ちがあったのも否定できません。私のような普通の人間が世界選手権
に出るというだけで、自分をほめてあげたいとちょっと誇りに思ったりしますが、今まで
の人生最大級のイベントに本来発揮すべく力を出し切れなかったのは悔やんでも悔やみき
れません。来年ハワイを目指すか?と問われるとまだ即答できませんが、必ずやいつか
Konaに戻ってきて、今回の自分を超える(Timeや順位ではないこと、ここまでお付き合い
された方はお分かりになると思いますが)と決意を新たにしました。
レースの1週間前に昔歯の治療で詰めていたものが取れてしまいましたし、Hawaii滞在中に
も歯が欠けました。ぐしゅぐしゅしている鼻の治療も必要ですし、今年1月2日からトレー
ニングを続けてきた体にも休養が必要です。10月はゆっくり休みます。
来年の宮古島でお会いしましょう。必ずや今年より強い自分をお見せします。
(大会開催日:2011・10・8)

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