
第332号
第1回UTMF参戦記!
2012年6月9日
AAC会員
千原昇氏
第1回ウルトラトレイルマウントフジ(UTMF)に出場したので報告します。
【UTMFについて】
富士山の周囲の山系(2県10市町村にまたがる距離156km、累積標高8500m)を48
時間以内で完走する、国内では初の100マイルトレイルレースです。昨年に高原徹さ
んが出場されたウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)の姉妹大会として位置付け
られました。
当初は昨年5月開催予定でした。その年の初頭にこのレースのことを知り、「完走で
きるのはごくわずかだろうなぁ。では自分はどうなんだ?完走できるとしたらどんな走
りをすればいいんだ?」などと考えているうち、これは実際に出て確かめるしかないと
の結論に達し、参加を申し込みました。
が、3月に東日本大震災が起こってしまい、レースが延期になってしまいました。今回、
一年越しの開催となり、恐らく私を含めた多くの参加者、関係者にとって、満を持して
の開催となったことと思います。
【当日、スタート〜72km地点】
5月18日午後3時、河口湖前の大池公園をスタートしました。一周して絶対にここに帰
ってくるんだ!という強い思いで走りだしました。思えば、楽しくも厳しいコースでした。
今回の出場に当たり、六甲全山縦走を繰り返し練習し、UTMBのビデオを何度も見て
研究しましたが、それらとはかなり違っていました。
勿論、UTMBと同様の壮大かつ眺めが美しい箇所も多いのです。が、上り下りの斜度
が六甲山系では有り得ないほど急激なセクション、ガレ場や石だらけの荒れ地セクシ
ョンが非常に多く、飛ばし過ぎないよう注意していても体力がみるみる消耗しました。
およそ20km間隔のエイドステーションでは、カロリー維持のために、普段のレースで
は口にしないうどん、カレーなどの固形物を積極的に食べました。
ギリギリの崖っぷちで危険そうな箇所も多くあり、そのような箇所はちゃんと人がいて
注意してもらいましたが、非常にテクニカルなコースで、体力も気力も使いました。
一方、アスファルトでひたすら単調なロードセクションもあり、疲労と単調さのあまり、
私は生まれて初めて“ジョギングしたり歩いたりしながら寝て”しまいました。歩きなが
ら何度も意識が飛ぶのです。72km中間地点の『富士山こどもの国エイドステーション』
に着くころには、すっかり足を使い切ってしまいました。
【72km地点〜ゴール156km】
『富士山こどもの国エイドステーション』のドロップバック(前もって預けた装備品を受け
取り、必要でなくなった装備品を預ける)で、AACのユニフォームに着替え、気合を入
れ直しました。走り出したら、まだ行けます。そのまま102km地点『西富士中学校エイ
ドステーション』まで突っ走りました(実際には多分ジョギングペース…)。
西富士中学校エイドステーションを超えると、問題の“天子山塊”が待ちかまえていま
す。ここで仮眠を取るかどうか考えることにしていましたが、アドレナリン出まくりの気
合入りまくりで眠気はぶっ飛んでおり、このまま行くべきと判断して不眠のまま進みま
した。そして、遂に天子山塊。1500〜2000mの山々が30kmにわたって連続するコー
ス最大の難所です。
登って登って登って、下って、また登って登って登って、登りが全然終わりません。
そのうち、STY(同時開催の、距離がUTMFの半分のクラス)参加選手が次々と私を
パスしていき、その中に高原さんもおられました。「頑張って下さい!」と声をかけられ、
素晴らしいスピードで去っていきました。高原さんはSTYで70位/1011人中の好成
績でした。おめでとうございます。
一方、こちらはもう足が動きません。ストックをついて、ただただ登ります。そして、天
子山塊で最後の頂上に来たとき、本当に綺麗な富士山が見えました。鏑木毅さんが、
「UTMBに出た時は苦しかったが、その時に見たモンブランは最高に美しかった」と言
っていましたが、この富士山が正にそれでした。天子山塊を超えるとゴールの目途が
立ってきました。その後は必死で足を進めました。そして、38時間19分19秒、200位
/777人中でゴール。遂に富士山の周りを一周できました!
【AAC会員の方々へ、次回UTMF参加のお誘い!】
今回のUTMFでは、当初は完走率30%くらいだろうと言われていましたが、実際には
72.3%(777人中562人完走)という高い完走率でした。コースは上記のように簡単で
はありませんでしたが、それでも参加者の多くは見事完走されました。
今回のUTMFの参加資格は「過去2年以内に50km以上のレースを2回、又は100km
以上のレースを1回完走していること」でした。言いかえると、100kmマラソンの参加
経験があれば、かなり高い割合でUTMFも完走できる可能性があることが、今回、初
めて明らかになりました。
私自身にとってもUTMFは未知への挑戦でしたが、もはやそうではなくなりました。
レース中は肉体・精神を酷使しましたが、思ったほど後には引いておらず、日々回復
に向かっています。開会式、閉会式の演出も素晴らしく、沿道の方々の応援も本当に
有難く、私は必ず来年も参加しようと思っています。
そこで会員の方々、特に100kmマラソンを完走された経験のある方々に御提案です
が、来年のUTMFに参加してみませんか?何物にも代えがたい充実感が得られるこ
と間違いありません!是非とも御検討下さい!
【参考】
*UTMF公式サイトhttp://www.ultratrailmtfuji.com/
*YOUTUBEで“UTMF”の動画が数々アップされています。
*テレビでも特集されます。
『UTMF156キロ、48時間のレースに完全密着するドキュメント番組
「激走!富士山一周〜ウルトラトレイル・マウントフジ〜」(仮)が
NHK−BS1で放送されます。その放送日時が決まりました。
6月15日(金)第1部夜11:00〜11:50
第2部深夜0:00〜0:50』
(大会開催日:2012・5・18〜20)