

第778号
IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP 夫婦で完走!
2022年10月18日
AAC会員
三田 あゆみ氏
2022年10月ハワイ島のコナで行われたIRONMAN WORLD CHAMPIONSHIP(アイアン
マン世界選手権大会)に夫婦で出場しました。
世界各地で行われるアイアンマントライアスロン大会(スイム3.8㎞、バイク180km、ラン
42km)に出場し、上位に入り権利(スロット)を取得した者のみがこの世界大会に参加
できる、トライアスロンの世界最高峰の大会です。毎年10月世界のトップ選手が集結し、
ハワイ島コナの街はものすごい盛り上がりとパワーでみなぎります。
私と夫の博史は2019年のアイアンマン台湾の大会にてこのスロットを獲得しました。
コナに行くと心に決めて、きついトレーニングも頑張ってきた努力が報われた瞬間で
した。しかし、2020年に憧れの舞台で最高のパフォーマンスを!と意気込んだのも束
の間、コロナ禍で大会が延期になりました。いつ大会が開催されるかもわからず先が
見えない中、モチベーションを保ちトレーニングを続けるのは辛かったです。
そんな中やっと2022年10月に大会開催が決定。2年延期になった分、出場者数も例
年の倍近くになったため、今年は初めて6日(木)と8日(土)の2日間に分けての開催に
なりました。出場日はエイジグループごとに割り当てられ、私は6日、博史は8日の出
場となりました。(2日間で5000人近く出場する中、日本からは63名の出場でした。)
レース4日前の日曜日にハワイ島に到着すると、すでにコナの街は世界中から集ま
ったアスリート達で賑わっていました。この独特の雰囲気が大好きでわくわくします。
レース前には楽しいイベントが盛りだくさんです。朝、スイム会場の海500mほど先の
ボートまで泳いでコーヒーを飲みに行く『モーニングコーヒーボート』(コナの海で飲む
コーヒーは最高に美味しい。)、国ごとのパレード『Parade of Nations』、下着姿で走
る『アンダーパンツラン』etc…レース前に疲れてしまうのではと思うほどたくさん楽し
みました。レース当日、AM5時会場に着くとボランティアの熱烈な歓迎を受け、その盛
り上がりにパワーが湧いてきます。
スイムは、ウミガメも見られるような透明度の高いカイルア湾の海を約1.9km泳いで
折り返しの船まで行って帰ってくる3.8㎞のコース。今年はエイジグループごとのウェ
イブスタートで、私は女子プロ選手の5分後、午前6時半スタート。海のスタートライン
で立ち泳ぎをしながら、会場を埋め尽くすギャラリー達を見渡して鳥肌が立ちました。
この時夢の舞台に立てていることを実感しました。
スタートして大きな波にゆられながら折り返しの船を目指します。後ろからは私の5
分後、10分後にスタートした選手たちがものすごい勢いで追い抜いていきます。
スイムは私の中で不安要素が多い種目でしたが、延期になった2年間プールや海で
練習を重ね自信をつけられたことと、仲間から「マイペースでゆっくり」と前日にアド
バイスをいただいたおかげで最後まで落ち着いて泳ぐことができました。
トランジットで更衣テントへ入ると、ボランティアが二人がかりで着替えなどを手伝っ
てくれるVIP待遇に驚きつつとてもありがたく感じました。
バイクは、海沿いの不毛な黒い溶岩地帯をひたすら走る180㎞のコース。今年はコ
ナ名物の強風「コナウィンドウ」は吹いていませんでした。壮大な景色の中を走りな
がら、ここでも夢の舞台に立てていることに感動。しかし繰り返すアップダウンと、
国内レースでは経験したことのないような見事なゴボウ抜かれ状態にメンタルがボロ
ボロになります。世界の強さを痛感!このような苦しい状況さえも楽しみながら、最
後まで粘ることができました。この日に向けて練習に付き合っていただき鍛えてくだ
さったクラブ仲間のおかげです。
ランは、初めの10㎞は街中を走りますが、あとは何もない高速道路を空港近くまで
往復する42㎞のコース。走り始めからとにかくゆっくり、(これ以上スピードが出ない)
氷や掛水で体を冷やしながら確実にゴールすることを目標に走ります。20㎞地点くら
いで日が暮れて涼しくなり、すぐに真っ暗になりました。そこからは長い長い暗闇ラン
をたっぷりたっぷり楽しみました。
たくさんの応援とボランティアの方たちに力をもらいつつ街中に辿り着くと、ゴール付
近はものすごい盛り上がりでした。ゴール手前で待っていてくれた博史から日本国旗
を受け取り、ゴールゲートまでの花道を観客たちとハイタッチしながら笑顔で走り抜け
ます。そして『AYUMI! You are an IRONMAN!』MCの言葉と共にフィニッシュ!
憧れのコナでアイアンマンになれました。
2日後は博史のレースです。(今年は2日間に分けて開催されたことで、レースと応援
どちらも楽しめました。)
博史は7月末に自転車の落車で鎖骨を粉砕骨折し、骨が繋がっておらずプレート固
定しただけの状態での出場となりましたが、無事にゴールし夫婦でコナのアイアンマ
ンレースを完走することができました。
私の両親も2006年、この大会に夫婦で出場し完走したため、両親に次いで《二代続
けて夫婦で同じ年にIRONMAN WORLD CHAMPIONSHIPに出場し完走する》という
大きな夢が叶いました。
レース後は、女子選手限定パーティや日本人と台湾人のためのパーティー、表彰式
『Banquet of Champions』に参加。ハワイ火山国立公園を観光、コナとは反対側に
位置するヒロの街までドライブするなど大いに楽しみました。
今年は物価高と円安で宿、飛行機、レンタカー、滞在費などすべてにおいてお金が
かかり大変でしたが、私たち夫婦にとっては一生の思い出に残る出来事だったので
IRONMANグッズなど大いに散財しました。
ここまで来るのに道のり長くたくさんの困難がありましたが、たくさんの人に支えて
いただいたおかげで大きな目標を達成することができました。芦屋浜アスリートクラ
ブの活動は多くの練習の機会を与えてくれましたし、クラブメンバーの方にはたくさ
ん鍛えていただきました。クラブにはアイアンマンハワイを完走した尊敬する先輩ア
スリートの方がたくさんいらっしゃるので、その背中を追いかけアドバイスをいただ
きながら頑張ることができました。応援メッセージも大変力になりました。
支えていただいたすべての仲間に感謝いたします。
=これからコナを目指す人へ=
コナは情熱をもって努力を続ければだれでも行ける可能性がある場所だと思っていま
す。コナへ行くと心に決め、コナの舞台で走る自分をイメージしながらトレーニング
を積み重ねる。誰よりも練習したという自信をつける。予選大会では今までやってき
たことを信じ、ライバルに惑わされず自分のパフォーマンスを最大限に発揮すること
だけを考える。限られたスロットを争うので運に左右される部分もありますが、運も
実力のうち。実力をつけてある程度の位置で挑めば必ずチャンスは巡ってくると思
います。
《ANYTHING IS POSSIBLE!!》