「ITUロングディスタンストライアスロン世界選手権」に参加して!

第320号
「ITUロングディスタンストライアスロン世界選手権」に参加して!
2011年12月20日
AAC会員
宗平裕氏

2011年11月5日にアメリカ合衆国・ネバダ州・ヘンダーソン市で開催された「ITUロング
ディスタンストライアスロン世界選手権」に参加してきました。トライアスロンの世界選
手権は各種大会がありますが、今回の大会はロングディスタンス(スイム:4km、バイ
ク:120km、ラン:30km)の世界選手権です。今年の6月に長崎県の五島で開催された
「五島長崎国際トライアスロン」に参加し、年代別で5位となり、出場権を獲得すること
ができました。私の他、日本代表選手団はエリート女子2選手とエイジ男女39名の合
計41名が出場しました。
11月2日、伊丹空港を出発し、成田、ロサンゼルスを経由してラスベガスに到着。ラス
ベガスへ到着したのは夕方でしたが、すでに高級ホテルやカジノのネオンが輝いてお
り、異国の地へやってきたのだと実感しました。ラスベガスの空港からはさらに車で1
時間弱ほど走り、やっと宿泊先のホテルへ到着しました。この大会はラスベガス大会
と呼ばれていますが、実は会場となるのはラスベガスから少し離れたヘンダーソンと
いうところ。スイムの会場が「ラスベガス湖」のため、ラスベガス大会と呼ばれている
ようです。
レース当日までにはいろいろなイベントがあります。言葉が英語でわかりにくいですが、
やることはほとんど日本のレースと変わりません。ただ一つ、日本の大会で体験したこ
とがなかったのが国別パレードです。パスタパーティーの中で各国の代表者が国旗を
持って行進します。これらを見ていると、改めて「日本を代表して来ているんだな〜」と
実感することができました。
そしていよいよレース当日。朝4時に起き、準備をしてスイムの会場へ向かいます。す
ると、会場へ向かう途中ですれ違った日本人選手から「スイム中止らしいです」と衝撃
の言葉が。まさかのスイム中止です。聞くところによると、前日に降った雨により水温
と気温がかなり下がってしまったとのこと。ITUの規定でスイムが中止となり、バイク→
ランのタイムトライアル形式に急遽変更になりました。後の発表では、水温14℃、気温
3℃だったようです。せっかくラスベガスまで来たので、泳ぎたかったですが、こればっ
かりは仕方ありません。気持ちを切り替え、バイクのスタートを待ちます。スタートはゼ
ッケン番号順に5秒間隔でスタートしていく方式。自分の順番になり、いよいよレース
スタートです!
バイクコースはラスベガス湖をスタートし、ミード湖国立公園をYの字型に往復後、ヘン
ダーソン市街地に戻ってくる120kmのコース。ナショナルチームマネージャとして日本
チームに同行していた西内洋行氏に事前に聞いた情報では、「少々のアップダウンで
も平地っていう外国人選手が『アップダウンが多い』って言っているから、相当きつい
コースだと思う」とのことでした。実際、平地はほとんどありませんでした。さえぎるもの
が何もないので、時折強い風も吹きつけ、気温もなかなか上がりません。そんなバイ
クコースでしたが、それほどきついとも感じませんでした。個人的にアップダウンが好
きなことと、景色が非常に素晴らしかったからだと思います。木や建物が一つもない砂
漠の中を、延々とアスファルトの道路が続いている風景は、日本にはまず存在しない
風景です。しかし景色を楽しんでいる暇はありません。日本国内のレースではバイクで
抜かれることはほとんどと言っていいほどありませんが(スイムが遅いこともありますが
)、今回ばかりはたくさんの外国人選手に抜かれました。特に下り坂はものすごいスピ
ードで抜き去っていきます。そんな中、順調にペースを上げ、先にスタートした日本人
選手を全員パスし、このコース最大の難所と言われる「スリーシスターズ」という約20%
の斜度の坂が三つ連続するコースへ突入。確かに斜度はきつかったですが、距離は
非常に短く、あっという間にクリア。そしてコースは終盤のヘンダーソン市内へ入ります。
しばらく市街地を走るといよいよトランジション。隣接するランのコースには既に走り始
めている選手もいます。そして、3時間41分29秒の日本人トップでバイクフィニッシュ!
ランのコースはこれまた平地が一切なく、約3.5km下った後、約3.5km上るという1周
約7kmのコースを4周。市街地の中の周回コースなので、沿道にはたくさんの人がい
て声援を送ってくれます。「JAPAN!」と声をかけてくれる人、「ダイジョウブ!」と知っ
ている日本語で応援してくれる人など様々です。1周目を順調に終え2周目に入ると、
だんだん疲れが出始め失速してしまいました。ここからは我慢のレースです。相変わ
らず気温は上がりませんが、エイドステーションでは確実に水やジェルやバナナを補
給します。2周目までは日本人トップをキープできていたものの、3周目に入ったぐらい
でエリート女子の2選手、続いてエイジの選手何人かにもかわされます。日本人選手
だけではなく、たくさんの外国人選手にもものすごい勢いでかわされていきます。バイ
クだけではなく、ランについてもさらなるパワーアップが必要だと実感しました。3周目
もラストに備えてひたすら我慢の走り。ここで非常に力になったのが、選手同士での
声援です。折り返し地点が2カ所ある周回コースだったため、たくさんの選手とすれ違
います。その中で、日本人選手とすれ違う際、「頑張ろう!」などと声を掛け合うことで、
お互い励まし合うことができました。トライアスロンは個人の競技ですが、今大会は日
本代表チームでの参加です。海外という慣れない環境の中、ともに「日本代表」を背
負い同じチームで走っていることがこれほど力強く、そしてこんなにも楽しいものだと
は思ってもいませんでした。そしてレースはいよいよランの最終周回。前半の3.5kmは
少しペースを上げる。そして後半の3.5kmは残っている力を全て出し切ってラストスパ
ート!最後のストレート直前で会社のみんなが寄せ書きしてくれた国旗を受け取り、
その国旗を掲げて感動のフィニッシュ!ランは少し失速して2時間30分19秒でしたが、
そんなことなんてどうでもよく感じるほどの達成感と感動でした。あの興奮は今でも忘
れられません。ゴール後は、応援してくれた彼女やナショナルチームマネージャの西
内洋行氏、続々とフィニッシュしてくる日本人選手のみなさんと健闘を称え合います。
話を聞くと、みなさん、本当に楽しくレースができたようです。

結果詳細については以下を参照ください。
JTUホームページ:http://www.jtu.or.jp/news/2011/111107-2.html
ITUホームページ:http://www.triathlon.org/events/event/2011_henderson_itu
long_distance_triathlon_world_championships/

レース後は会場で少し余韻に浸り、着替えやバイクの受け取りを済まし、ホテルへ帰
りました。翌朝4時出発のためバイクの梱包等を行わなければならず、レース後のア
ワードパーティーには参加できませんでしたが、もう一人のナショナルチームマネージ
ャとして今大会に同行していた山本光宏氏が日本代表チームの打ち上げを行ってく
れるとのことで、代表選手約30人が一部屋に集まり、自己紹介やレースの感想等を
語り合いました。話は尽きませんでしたが、またどこかの大会で再会できることを誓い
合い、その場はお開きとなりました。
翌朝は3時起き。大会の余韻にゆっくり浸ることもなく、ホテル→ラスベガス→ロサン
ゼルス→成田→伊丹の長旅です。ロサンゼルスでの飛行機の出発遅れやホイール
を梱包した箱が行方不明になるなど、多少トラブルはありましたが、無事大阪に戻っ
てくることができました。
今回の大会は、初めての海外でのレースでしたが、無事完走できて本当にほっとし
ています。結果についてはもっと上を目指せると思っているので満足していません。
とはいえ、結果よりも「日本代表として世界の舞台で走る」という経験できたことが、
何よりも大きな収穫です。来年の同大会はスペインで開催されるようです。そして、
選考レースは今回と同じく「五島長崎国際トライアスロン」です。今年と同様であれば
年代別の出場枠は1位〜10位までなので、オリンピックディスタンスやアイアンマン
に比べると、若干ですが世界選手権への扉は広いと思います。AACのみなさんもぜ
ひ選考レースへ出場し、出場権をゲットしましょう!
<あくまで、ゲットできるのは「出場権」のみです。費用は自費ですよ〜>
(開催日:2011・11・5)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール

このサイトは reCAPTCHA によって保護されています。 プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。