2007トランスエゾ!(連載その1)

特集第8号(連載その1)
2007年10月15日
芦屋浜アスリートクラブ
会員:奥 幸二氏

楽しくもあり、厳しくもあった1100キロが終わり、皆とお別れしてからも礼文島のお花巡りハイキングを3日楽しんで帰着した。行きから台風の動向にやきもきしたが、このお盆シーズン中はなるようにしかならんと予定通りでなんとか到着した。頼さんなんか更に2日も前に入ってエゾに備えていた。自分だけたどり着いたが誰も来なかったらどうなるんだろうという笑わせるコメントが前夜祭であったが、その執着心に脱帽。前夜祭のバーベキューなどは雰囲気盛り上げとてもよかった。もちろんバーベキューの前にも宗谷岬の海鮮丼を出してもらっている。これらはすべて参加費に含まれており参加費はリーズナブルである。このバーベキューは宗谷岬を眺めながら海産物も肉も食い放題である。かなり酔ったころ丁度お休み時間となる。初日と2日目は天候も過ごしやすく走りやすい環境だった。おかげで楽に走れた。やはりエゾの大地を走るのは格別のものがある。何度走っても飽きない。大半は顔見知りのランナーだけど新しい人とお知り合いになれるのも楽しみの1つだ。初参加の人は国土地理院の25000分の1の地図の細部を読み慣れておらず、第1チェックポイントで早くもコースアウトしている。北海道は目標となるものが少なすぎてコースミスするのだ。岬からしばらく高台を抜けてまた海にでるがこの間のコースはオープニングにふさわしい素晴らしい景色だ。牛の放牧もしており、牛に話しかけると1斉にこちらを見つめ何してんだろうと、ずっとこちらを見つめ返す。エゾ鹿にも出会う。モグラにも出会う。髭カクさん年なのに強い!カクさんの後ろにいる方が無難。69歳であれでは人間離れしている。ちなみにカクさんは昨年のアルティ11日目に致命的なコースアウトでリタイアしている。地図さえ間違えなかったら完走間違いない走りだ。走りが少し分かる人は1目みたらカクさんの力がわかるだろう。70歳の睦さんも素晴らしい走りだ。1日目の我が家ファミリーの自転車はスタートを遅らせ過ぎたせいもあり節度時間ギリギリ3分前ぐらいでごやっとこさゴール。ヤキモキしてお迎えに逆走したぐらいだ。強い逆風でスピードが全然出ないとの弁解。おまけに荷物が荷台から何度も滑り落ち困っていたらしい。この日は牧場主がスイカと水のエイド。この人は元ランナー。1日目私は自重したがカクさんに次いで3位ゴール。カクさんはエゾの女王N村さんと同時1位ゴール。もっともっと自重しないとマズイ。自転車は2日目も意外に遅いゴール。なんでランの私を追い越してゆけないのかと不思議であった。しかし、もうこの日あたりで妻が10才の子供についてゆけない事態も発生。異変はこの日に発生していた。妻の太もも部にリング状の水ぶくれ。(自転車タイツの衣料障害)私ならあの程度の異変でも継続するけど、経験0に等しい人間には10分リタイアの原因となる。ケロイド状のひどい火傷のようになっている。これを作った某社には恨み骨髄である。(後日非を認め侘びにこられたが割り切れない思いはまだ残っている。今も傷跡は残っている。)今後どのように3人がレースを続行するか議論し私が妻の自転車に乗りなんとか勇樹を自転車で完走させたいということになった。このレースではこういう事態になっても1台自転車を車に載せてほしいとかいった甘えは許されない。勇樹が1人で自転車でコースをたどるのは危険すぎる。大人でもコースアウトは頻繁に発生してるし交通が危険な所もある。変な所で迷えば探す側もどこなのか見当がつかないし、本人もどうしてよいか判らないはずだ。これが12日目とかならなんとしても自分の完走を第1にしたろうが、わずか2日目終了時点では3人の幸せは何かという点から結論はすぐに出た。しかしやっぱり自分としては無念そのもの。体力はちゃんと14日分持ってきたつもりだ。昔の完走はつらい交通事故後遺障害を背負って直後のものであり(片手が神経麻痺で全く肩から先が動かない上、肩甲骨が折れたまま。)他も足首骨折後わずか7ヶ月でボルト入れたままの時のものとか3度共まともじゃーない。今回は長年待ちに待ったチャンスでもあり、調子もよかっただけにその残念さはしばらく尾を引いた。3日目からは妻は怪我もあるので臨時エイド。主催者がこちらの心情を読み取ってくれたからと感謝している。足がダルイとか痛いという普通のリタイアはエイドカーに乗るのも禁止で、自力で1日に3本しかないバスに乗ってでもたどり着かねばならないのだ。これは子連れで大変なピンチに陥った私への救済策だったと思う。事実私は途方に暮れていたが勇樹だけを私がなんとかゴールさせるなら可能と考えた。こうして勇樹との2人での自転車縦断が始まった。TO襟裳は晴天には恵まれなかったが、ランナーには最高のコンディション。3日目は少し嫌がる場面もあったが日を追う毎に強くなり弱音も吐かなくなった。小学2年の時買った子供マウンテンバイクなので車輪のインチ口径が小さくてスピードも出ない。途中ママチャリが1回パンクしたが自分のパンク修理では手に負えないレベル。ミニバーストに近いパンク。夜に直しておいてもう大丈夫と思ってたら朝には抜けてたのだ。レース用バイクじゃーあるまいし予備チューブ持参が必要とは考えていなかった。午前5時ごろから途方に暮れる。早朝6時30分にもかかわらずホテル従業員の手配で町の自転車屋さんがトラックで引き取り修理して再度届けてくれた。なんという親切なのだろう。わが町でこんな親切なホテルマンと自転車屋がいるだろうか。子供の勇樹のこのチャレンジにかの地の住人も心を動かされていたのだ。この日も節度時間は無理かと腹くくりかけたが勇樹の頑張りで10分間に合った。電動ママチャリはあまり役に立たない。バッテリーはすぐダメになるし重い!進まない!おまけに荷物が多すぎる!20インチの為、2年生時の子供自転車についてゆくのが結構しんどい。どんなにペダルこいでも時速18キロでリミッターが働く。妻が音を上げたのもまあ仕方ないか。あれは街乗り、かつ、5~6キロのちょい乗りの自転車であり1100キロ縦断に向くものではないのを思い知った。大人用かつ婦人用マウンテンバイクの方がよい。電動は妻が子供の伴走するのに逆に面倒見られる方になっては大変と稚内で買ったものだ。内陸部を抜け海岸線に再び出る時は誰しもが感動する。競走馬の牧場を幾つも通り抜けるルートどりは見事だ。昔のルートから進化している。その代わりに国道ならアップダウン無いのに丘の上に上がったり下がったり、かなり遠回りもする。北海道でしか出会えない風景の連続だ。馬が寄ってきて低い柵越しに頭なでさせてくれる。草をやると食べてくれる。ペンションでは焼肉とたらばガニそして工場直送サッポロ生ビールの飲み放題。たらば蟹は水産問屋勤務の某氏の差し入れ。しかも喰いきれない量である。浦河では船乗りがその日のビールなど全てのアルコールを全員分差し入れ。(毎年やってくれる)しかもホテルのビールだから相当なものだ。エゾではいろんな人の差し入れに遭遇しその善意のスケールの大きさに驚かされる。自分がどこかでたまにする差し入れなんてここでは恥ずかしい限りである。なんで人はここまで良い人になれるんだろうとここでは何度も思う。ペンションでは6杯飲んだ。某K氏にはお叱り受けるだろうが昼間にはせっせと4本は飲んでいる。アルティランナーを続ければもう少し自制心も効くが糸の切れた凧状態になってしまっている。ラーメン龍覚のゴールではこれまたバーベキューとビール飲み放題。ここのキムチラーメンは絶品だ。もともとTO襟裳はややもするとグルメジャーニーランになりがちなのにもう毎日宴会モード。これらは前述の通り参加費で賄われている。襟裳岬ゴールへの景色もよい。ゴール後の宴会もとてもよい。妻はエイドするのも結構厳しいもんだと感心していた。そりゃーそうだろう。午前3時4時スタートに対してその前から準備も必要だし皆のゴール後も何かとあるのだ。このレースの大変さも少しわかったことでまあよしとしよう。勇樹の体と根性が出来るまでTO襟裳では気象条件がよかったのがとても良かった。これが先にあの猛暑が来てたらと思うとぞっとする。TO宗谷は続編で掲載するがとても厳しいものになった。(大会開催日:2007・8・4~18)

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