
第638号
初めての別府大分毎日マラソン(別大)を走って!
2018年2月12日
AAC会員
樋上 慎二氏
1:はじめに 一昨年の5月からAACに参加しております樋上慎二(ひがみしんじ)です。
昨年の1月に茨城県の勝田マラソンでサブスリーのラン仲間にペーサーをしてもらい、
グロスで3時間30分ジャストのタイムを出すことができました。少し話は遡りますが、
それまでは、一番早くてもグロス3時間45分どまり(湘南国際マラソン)で、4年もの間、
タイムが停滞していました。これではだめだ、と固く心に誓い、一昨年の秋から、AAC
の仲間に誘われて、トラック練習(尼陸)や、ペース走(長居ウィンド)に取り組みはじ
めました。
2:別大への思い、サブ3.5で独り立ちするまで勝田マラソンで一気に15分もタイムを
縮められた理由は、仲間の伴走や陸上練習のほか、エイドに一切寄らずコース内の
最短距離をイーブンペースで走る、という方法が、自分に有効だったからでした。
別大に行きたい思いは、勝田の35キロ過ぎの地点で天啓のように頭に舞い降りまし
た。エリートの大会、一生に一度は出てみたい。別大、別大と口ずさみながら仲間と
走り、ゴールまで駆け抜けました(サブ3.5まで1秒足りず)。
翌日、事務局に電話してみると、3時間30分ジャストでも別大にエントリーできるとの
こと。おぉ! でも、ゴールするには自力でサブ3.5を達成せねば、と心を切り替え、
翌週の紀州口熊野マラソンに臨みましたが、40秒差でサブ3.5ならず…。 その後、
小江戸大江戸200キロを完走しましたが、2週間後の徳島マラソンでは1分半足らず…。
その後ブルベ(自転車レース)200キロに出て、長野マラソンに臨みましたが、気分が
上滑りして大撃沈…。サロマ湖100キロの後、陸上練習を長居ウィンドに集中し、大阪
マラソンのコースを十分下見し、気合いを入れて大阪マラソンを走り、ようやくサブ3.5
ランナーとして独り立ちできました(3時間29分19秒)。
3:別大エントリー、宿確保その他 9月初旬のエントリーの1か月前に、大会要項が
発表されます。ここで、カテゴリー4の要件を再確認した上、クリック合戦に勝利。
翌日、勝田の記録証を送付しました。条件クリアの上で正式にエントリーが受諾され、
エントリーリストが大会ホームページに載るのが11月中旬でした。自分の名前がリスト
に搭載されているのを確認したとき、一安心しました。
ところで、大会要項発表前に、ネットで別府のカプセルホテルを予約しました。これか
ら継続して、気軽に参加できるよう、なるべく経済的に臨みます。行き帰りの交通手
段も、フェリーを選択。二等船室のベッドにしました。出航の2か月前から予約できま
す。フェリーは大阪発ではなく、神戸発大分行きにしました。到着場所が西大分駅に
近く、行動しやすいです。
エントリーリストを見たAACの先輩会員の堀内さんから連絡がありました。別大のエ
キスパートとして、大会前日に別府の街を案内したいとのこと。ありがたくお受けしま
した。
年明け1月中旬に、ナンバーリストがホームページに掲載されました。別大はタイム
順にスタートグリッドが決まっています。予想の通り、私は陸連登録者の一番最後尾
(苦笑)。まぁ、実際には、更に後ろから陸連非登録者800人余りがスタートするので
すが、自分の持ちタイムがギリギリである現実は変わりません。昼スタートの防府マ
ラソンで予行演習をして、年末に走り込み、年明けの武庫川ロードレースハーフで調
整しました。
そして、年明けの1月4日に売り出されたナイキヴェイパーフライをクリック合戦でゲット。
幸運にも公式サイトで入手できた1人になりました。この靴を武庫川ハーフで試してみ
ると、いきなり3年前のハーフPBを2分強も更新(1時間35分15秒)。すごい靴です。
(ただし、かなり走り方が制限されます。) これで準備完了です。いざ別大へ!
4:別府初上陸、別府観光初級編 金曜日の仕事を終え、大阪南港へ向かいました。
神戸発のフェリーは機関点検のために大阪発別府行きへと振り替えられました。
フェリーターミナルに着くと、ランナーの人ばかり。あちこちで別大の気温・風向きの
話題が出てます。三等船室では早くも酒宴が。夕食のバイキングでは長い行列です。
ここはゆったりくつろげるように、堀内さんの一等船室へお招きに預かり、カーボパー
ティーです。その後、大浴場でのんびりし、自室のベッドで就寝しました。
翌日、別府初上陸です。レンタカーで別府の「地獄」巡りをしました。別府観光初級編
です。名称は正確ではないですが、泥泡の地獄、血の池地獄、白松の綺麗な地獄、
間歇泉地獄、成分が煙と化合する理系のような地獄…。こんな狭いエリアに様々な
温泉があるんだなと、火山国日本を再認識しました。
昼食後、大会受付会場のビーコンプラザへ。そこはまさにエリート達の集う同窓会で
した。あちこちでハイレベルな会話が。カテゴリー4でも、持ちタイムによってサブスリ
ーアタック組と、ゴールすればハッピー組に分かれますが、後者の組でも、なんだか
すごいところに来た、という雰囲気は味わえます。ここで東京から来た奥田さんと合
流し、それぞれの宿に移動し、一旦落ち着きました。
別府の街は、ザ・昭和という雰囲気を漂わせる懐かしい感じの街でした。商店街には
昭和風ラーメンとか。どんな味でしょう? 元遊廓の公衆温泉もあります。私の宿のカ
プセルホテルは、天然温泉付きで、熱いお湯に加えて、ゆっくり入れるぬるいお湯も
あり、湯治に最適な場所です。カプセルベッドだけでなく、個室もあり、女性用の個室
やベッドもあり、施設がとても綺麗でした。
この日の夜は、堀内さんが数年前からチェックしていたのに、なかなか入れず予約も
とれなかった「ヒットパレードクラブ」に行きました。昭和風味を売りにする別府ならで
はの、日本のクラブ文化とは違う、アメリカのオールディーズなクラブの日本版でした。
(高度成長期) 生バンドが上手いです。特にベース、ドラムの人達スゴイ! やはり
リズムセクションはバンドの要ですね…。
5:別府大分毎日マラソン号砲、そして安堵のゴール当日は、別府北浜のシャトル
バス乗り場に午前8時半に着くように向かいました。宿から歩いて10分ちょっとでした。
天気は曇り時々雪がチラつく寒さです。北風もかなり吹いています。過去のブログを
読むと、カテゴリー4の人達の待機テントが風除けのない場所だとのことで、早く行け
ば待機場所の代わりのバスの中で暖かい思いができるとのこと。始発のバスに乗り、
スタート会場のうみたまごでしっかりバス席を確保しました。ゆっくり着替えつつ、リラ
ックスし、時々トイレに行ったり(行き帰りにアップ)、隣の席の方とおしゃべりしたり。
トイレの待ち時間もなく、ストレスゼロです。しかし、そこに突然、オフィシャルの方々
から、着替えが終了した人はバスから出るようにとの告知が。バス内に動揺が広が
ります。私としては、まだ服装選択の最中でしたので(カイロをどこに貼ろうかとか)、
引き続きバス内にとどまりました。そのため、私はAAC集合写真の場面に行けず、
足の具合から出走しなかった奥田さんがカテゴリー4のエリアまで撮影に来ていただ
きました(来年は外でも寒くないベンチコートを着てこよう。)。
午前11時に荷物を預けても、もう一度装備品チェックをするために、バスの中で待機
しました。午前11時35分からのラインナップ直前まで、暖かくリラックスして過ごせまし
た。そして、ラインナップでは第94列の左から2番目に。陸連登録組の最後尾の列です。
登録組の最後尾数列分の人達は、持ちタイムもギリギリということもあり、ゴール目標
を同じくする仲間、和気あいあいの雰囲気でした。皆、絶対ゴールしましょうとエール
交換状態です。さらに号砲前に前方に詰めるとき、ノーベル賞の山中教授を発見!
なんと私と同じヴェイパーフライをはいているではないか! 教授は周りから握手攻め
でした。皆の握手に応じる気さくな教授スゴイ!
コースは別大国道を10キロ北に行って折り返し、スタート地点に戻って20キロ、その
後大分市内に入り、西別府の駅を過ぎて左折して、新日鐵の前まで続く直線の海岸
道路に出て、35キロで折り返し、後は大分市内を通って競技場まで、と極めてシンプ
ルかつフラットなコースです。スタートの号砲は、後ろまでよく聞こえませんでした…。
スタートロスは40数秒。向い風ですが、午後からは晴れ間が多く、気温も4~5度に上
がりました。もしかしてラン日和? けれど風は強く、寒さが苦手な私は、40キロ地点
まで被ったビニール袋を脱がずに走りました。キロ4分55秒をキープして関門ギリギリ
の通過を狙います。最初の10キロラップは48分25秒、次の10キロラップは48分45秒。
ブログ情報だと、コース前半は距離表示が不正確とのこと。細かい1キロ毎のラップ
はGPS時計を信じるしかありません。17キロ地点で奥田さんが応援してくれました。
サブ3.5アタックの最初のポイント、ハーフ通過タイムは1時間43分22秒。辛うじて切れ
るか! 30キロ地点までひたすらペースをキープします。20キロからの10キロラップは
50分17秒。ここからが粘りどころです。新日鐵の直線道路は所々に橋があり、意外
にのぼり下りがあります。のぼりで周りを抜き、下りでペースを緩めます。35キロまで
の5キロラップが25分12秒。ここから折返しで向い風です。周りのペースがガクッと下
がります。姿勢を低くして風をやり過ごし、一人一人抜いて行きました。
サブ3.5アタックの次のポイントは、40キロ地点の通過タイムです。3時間18分40秒な
らば間に合う。19分ジャストだとキツイ。19分20秒だとかなりヤバイ。とても狭いウィン
ドウです。おぉ、3時間18分26秒だ!よし、間に合うぞ、と気合いを入れ直し、ビニール
袋を脱ぎ捨て、ラストスパートに入りました。ようやく競技場が見えてきました。トラック
を3/4周してゴール。3時間29分2秒。サブ3.5限界までわずかトラック1周分という薄氷
のゴール! 思わず安堵のため息です…。わずか17秒ですが、大阪マラソンでの自己
ベストを更新できました。下見なしのコースでこのタイムですから、来年はかなりタイム
を縮められるでしょう。
6:来年も行くぞ、別大 スタートの時の左隣の方(お医者様)は持ちタイム3時間29分
59秒でしたが、私の10数秒後に無事ゴールされました。エール交換した他の方の幾
人かは、ゴール叶わずでした。関門に追いまくられたビクビクの、超絶興奮する42.195
キロでした。お医者様とはお互いの完走を讃え合い、来年も別大を共に走ろうと誓い
合いました。
AACの皆様の結果は、カテゴリー2の堀内さん、新倉さんは無事サブスリー、カテゴリ
ー3の多田さんも体調が悪い中、あと数分でサブスリーという素晴らしいタイムでした。
帰りのフェリーで堀内さんと盛大に打上げと酒盛りをしたのはいうまでもありません。
ところで、カテゴリー4の「ゴールすればハッピー組」が別大に出る意味があるのか、
と問われるかも知れません。福岡国際に出られる可能性がない人にとっては、別大
は最高レベルの大会です。エリートの走り、市民ランナーの高いレベルが目に焼き
付きます。コースもフラットです。温泉も素晴らしい。関西圏からフェリーで行きやすい。
女性も参加可能です。パフォーマンスを維持し、モチベーションを高める意味で、別大
を目標に掲げ、これからも健康に走り続けることに、とても意味があると思うわけです。
まぁ、そこに別大があるから、別大に出るんですけど…。
(大会開催日:2018・2・4)