大会参加費は高すぎはしないか!?

特集第7号(連載その4
2006年11月10日
宗政 義仁 

【大会参加費は高すぎはしないか!?】
猛暑の夏が過ぎ、清々しい秋が訪れると、本格的なマラソンシーズンがやってくる。全国のどこかで毎週大会が開催され、時には1日に3〜4レースも同時に行われるほどだ。もはやマラソンは「日本の文化」と言っても過言ではない。

しかし、ここで少し考えてみたいのが「大会参加費」である。

例えば、2007年に開催される「東京マラソン」は、史上最高の参加費である1万円(海外参加者は12,000円相当)に設定されている。しかも参加予定人数は3万人。この金額には多くのランナーが驚いた。従来の7,000円台でも高いと思っていたのに、さらに上回ってきた。

一方、トライアスロンのロングレース(スイム3.8km・バイク180.2km・ラン42.195km)は、参加費が3万〜4万円にもなるが、参加人数は1,500人前後と少ない。そのため、多くのボランティアを必要とし、パーティーなどの付帯イベントも含まれており、高額になるのは理解できる。

だが、フルマラソンの参加者は3,000〜13,000人と多く、競技時間もコースの長さもトライアスロンに比べて短い。なのに参加費が急激に上昇する理由はあるのだろうか。もし東京マラソンの1万円が基準になると、他の大会も追従し、参加費が右肩上がりに高騰してしまうことが懸念される。

マラソン大会が多く開催される今、自治体や企業、クラブが主催するものも増え、参加者も年齢性別問わず幅広い。生涯スポーツとしての普及は喜ばしいが、今後もこの環境を維持していくためには、参加費の抑制が必要だ。大会で利益を得ることが目的であってはならず、村おこしや健康増進を目的とするならば、参加費の見直しは不可欠である。

近年の少子化や参加者の高齢化も考慮すれば、高額な参加費はランナーの減少を招き、将来的にマラソン文化の衰退を招く可能性がある。

では、実際にどれほどの金額が大会の予算として組まれているのか。いくつかの大会の例を基に計算すると、以下のようになる。

【主な大会の予算規模(参加費×参加者数)】

東京マラソン:30,000人 × 10,000円 = 3億円

F大会:10,000人 × 6,000円 = 6,000万円

SN大会:3,000人 × 7,000円 = 2,100万円

A大会:13,000人 × 4,500円 = 5,850万円

SS大会:10,000人 × 4,300円 = 4,300万円

ハワイ・アイアンマン:1,700人 × 58,000円 = 約9,860万円

国内トライアスロン(S大会):1,500人 × 33,000円 = 約4,950万円

M大会:1,500人 × 30,000円 = 約4,500万円

K大会:850人 × 36,000円 = 約3,060万円

G大会:1,200人 × 45,000円 = 約5,400万円

【泉州国際マラソン(2005年実績)】

総収入:107,751,437円

参加費収入:23,261,000円

総支出:103,602,660円

差額:+4,148,777円

マラソンとトライアスロンを比較すると、後者のほうが高額に感じられるが、設備や人員の規模を考えれば妥当である。一方で、マラソンは参加人数が多いにも関わらず、1人あたりの負担が大きいのが現状である。

大会の主催者は、「誰のために開催するのか」を今一度考え直すべきだ。利益を目的とするのであれば、それはスポーツ文化に反する。私たちは、記念品や景品を求めて参加しているわけではない。安価な参加費で、健康的に楽しく走れる機会を求めているのだ。

 

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