
特集第9号
2007アイアンマン・ワールドチャンピオンシップハワイ!
2007年11月4日
堀陽子氏
ハワイ島のコナにて毎年10月に行われるアイアンマン・ワールドチャンピオンシップは、今年29回目を迎え13日に行われました。私は今回で節目をつける為、この日のために出来る限りの全力を尽くしてきました。主人の直之のサポートでトレーニングを順調にこなし、体調も整い気力も充分でした。スタートを前にして、今までハワイに挑戦してきた想いを胸にこれで最後思いっ切り悔いの無いようにレースしようと、そして今まで私の活動を支えてきてくれた家族やスポンサーの方々、友達、トライアスロン関係者の数々の方々への感謝の気持ちが込み上げてきました。そして、いつもわがままを言っても聞いてくれ、何かあったら助けてくれた最大の理解者の主人には、ここまで一緒に歩んできてくれて有難うという気持ちでスタートに向かいました。6時45分、プロスタートの号砲が鳴り、出遅れずに上手く集団に入れるよう泳いでいたつもりが、大きな集団の一番後方の男子プロ選手にやっとついていける状況で泳いでいました。しかし、少しずつ離れてしまい、とうとう一人で泳ぐ事に。もしかして最後尾かと不安になりながらも、折り返しが気になる頃に、後ろから来たプロ男子選手とその他女子選手に合流し、そのままその選手達と泳ぎスイムアップしました。タイムを見ると1時間8分後半。少なくとも5分以内では上がりたかったので、急いだのか、あまりにもウェアがピッタリして快適すぎたのか、T1ではゼッケンベルトをつけるだけと勘違いをし、レースウェアの上に着ていたスイムスーツ脱ぐのを忘れて走って行ってしまいました。途中で気がついて、『何をやっているんだ。冷静になれ』と自分に言い聞かせながらテントに戻り、脱いですぐバイクラックへ。落ち着いてバイクを引いてゲートを出ました。タイミングマットを過ぎて、よしこれから!とバイクに乗りました。その途端「バキッ」と大きな音が辺りに響き、その瞬間すごく嫌な気持ちに一転しました。『これは、まさか、夢ではないか』昨年のスイムに引き続き、全く同じ気持ちが甦りました。何かの間違いだと思い、恐る恐るバイクを降りてシートポストの下を見ました。それは夢でもなく現実でした。『割れている!』とりあえずまだ諦めずに、バイクメカニックを呼んでもらうよう周りのスタッフに問いかけましたが、誰も反応が無く、ずっとそこで待っていても仕方が無いのでこのまま行ける所まで行くしかないと思い、先を進みました。しかし、やはりサドルは下がっているし走行中に完全に壊れて走行不可能になると思ったところにちょうどバイクマーシャルが居たので、メカニックを要請しました。結局、またトランジッションに戻り、一時はもうレース続行はできないかもしれないと言われましたが、しばらくしてメカニックが来てくれて、2人掛かりで試行錯誤しながらガムテープとストラップで応急処置してくれスタートすることができました。友人が一部のロスタイムを計ってくれていたので、全部で20~25分くらいのロスタイムではないかと思います。待っている間に、今までこの日のために費やしてきた事を考えると気持ちが切れ掛かりそうになりましたが、周囲の観客の人たちに励まされ、そして必死に作業をしてくれているメカニックの人たちの姿を見ながら、今までのトライアスロン競技で培ってきた精神を最後までしっかり貫き通すことが私の今日の仕事だと、順位やタイムではなく、今日のベストを尽くそうと気持ちを切り換え再スタートしました。バイク中は、サドルに負担がかかり過ぎないよう気をつけながら、メカニックの人のお陰で最後までトラブルなくランに繋げる事ができました。ランに入ってからは、もう安心して走るだけです。あとは自分次第。中盤から後半にかけて脚も動かなくなってきて、エナジーラボを過ぎてからの最後の12kmは脚が痛くなりエイドからエイドをやっと走っていましたが、最後は元気に走ってゴールできました。10時間30分58秒、プロ女子35位。みなさんのお陰でゴール出来た事、そしてトラブルがあったけど最後まできちんと走れた自分に安心してハワイを最後にします。体力、気力共にまだやっていける自信も、今回のリベンジもしたい気持ちも十分ありますが、もう今年で最後というのは決めていたので悔しいですが終わりとします。最大の目標だったハワイのトップ10は達成できませんでしたが、今まで力になっていただき本当に有難うございました。これからは、家庭の方にもう少し目を向けて、トライアスロンはその中でやっていける範囲で活動していきたいと思います。完全な引退ではないので、ハワイは一時休養ということにしておいて下さい。そしてまた、落ち着いたところで第二の挑戦をしてみようと思います。45才まではプロとしてレースができればと思っているのですが・・・どうなるか分かりませんが、次の目標にします。そして、長年かけて自らでここまでやってきた経験をもとに、これからは指導の方にも力を入れていきますので、今後とも変わらぬお付き合いの程、宜しくお願い致します。また、今後のスケジュールに関しては随時ご連絡致します。