
投稿第162号
【第二弾】
新コースは意外に難敵!? 6年ぶり復活「そうじゃ吉備路マラソン」
2009年2月19日
AAC会員
野上亨氏
2月の大会レポート第2弾です。今回は、岡山県総社市で2月15日に開催された「そうじゃ
吉備路マラソン」です。本大会は、以前に開催の「吉備路マラソン」が、コースであった道
路の交通量が増加し支障が出る等の理由で、2003年を最後に中止されましたが、この度、
地元山陽新聞創刊130周年記念事業の一つとして、6年ぶりにコースを一新して復活したも
のです。
今年は、フルマラソンに1,364人、4.5kmのファミリーマラソンに2,134人の、合計3,498人が
参加しました。コースは、県南の観光名所としても知られる「吉備路風土記の丘」周辺など
旧大会の“遺産”を残しながら、新たに整備された道路なども使用して行われました。印象は
、想像以上の、難しいコースだというものでした。複雑で、同じ場所を2回走ったり、信号での
交通規制を避けるために道路の下をくぐったり、終盤には陸上競技場のトラックを走ったりと、
ある意味「バラエティに富んだ」ものでした。これは、南に隣接する岡山市にごく一部入りま
すが、9割以上は総社市内でコース設定したのと、なるべく交通渋滞を招かないようにしたた
めでしょうか。
スタートは総社市スポーツセンター。スタート後、南へ向かうとすぐに田園地帯が広がり、の
どかな田舎の風景になります。まもなく、左手に反対方向へ先頭が走って行くのが見え、複
雑コースの始まりです。5kmを過ぎ、先程通過したコースを少し逆走して右折、すぐに小高い
丘を越えます。丘を越える区間は、後からスタートしたファミリーマラソンの参加者と合流する
ため、道はかなり混雑しました。2車線の道路は左がファミリーマラソン、右がフルマラソンと
決められていますが、主にファミリーマラソンの子供たちが右車線に入って来ることが多く、
難しいポイントの一つでした。
ファミリーマラソンを左に見送り、しばらく走ると吉備路観光のシンボルである備中国分寺が
見えてきます。創建は741年と伝えられ、1821年に再建された高さ34mの五重塔は、国の重
要文化財に指定されています。当日は暖かい陽気も相まって、五重塔をバックに走るランナ
ーを撮影しようとするアマチュアカメラマンや、一般観光客などで溢れ返っていました。我々参
加者には、ありがたい応援で元気をもらえる場所でした。五重塔を左に見ながら未舗装の上
り坂の先が10km地点。10kmを過ぎると、コースは道路の歩道へ誘導されます。フルマラソン
では、遅いランナーが交通規制解除により歩道へ誘導される例はありますが、最初から歩道
が本コースというのは珍しいものです。
再び田園地帯から小さな集落へ入った辺りで「25km」の看板が。12km付近のはずですから、
ここが周回1回目ということになります。ここから10km以上周ってここへ戻る、横のランナーが
「精神的に辛いなぁ」とつぶやいていました。さらに走って14kmの関門ですが、看板等の表
示はありませんでした。自分の時計と左に収容車らしきバスが2台停車していた所が関門だ
ったようですが、制限時間いっぱいに通過しようとするランナーは困ったかもしれません。
その先で、後程走って行く後半コースを左に見送り、岡山自動車道の下を通り、足守川の堤
防へ出て20kmを過ぎ、西へ方向を変えて行くと左に造山古墳が見えてきます。国の指定史
跡で5世紀に造られたとされる墳丘は、長さ360mで全国第4位を誇る前方後円墳です。古来
、当地は吉備豪族で繁栄した土地柄で、周辺にもいくつかの古墳が点在しています。歴史を
感じながら走っていると、また国分寺の五重塔が見えてきます。先程と逆から入るコースで、
大観衆の中を再び未舗装の登り坂へ。「10km」表示を見ながら歩道のコースを辿り、今度は
本当の25km地点を通過します。1周目のコースと分かれて左折、次は27kmの関門ですが、
ここも看板等は無く、スタッフの方がゼッケンを読み上げてチェックしていた地点が関門だった
のでしょうか。
しばらく国道180号線の歩道を走り、左折した先は舗装はあるとはいえ正に田圃の畦道の風
情。JR吉備線の小さな鉄橋をくぐると、一路岡山自動車道沿いに辿ります。30kmを過ぎ、地
元自治会の皆さんが出されていた私設エイドはバナナが満載でした。主催者で設置している
5km毎のエイドでは水とスポーツドリンクのみで、終盤に来て体の「燃料」が切れかかってい
るランナーにはオアシスだったと思います。燃料補給したランナーは35kmの最終関門を目指
します。沿道のスタッフの方が、「正面の赤い屋根の建物がある所が35kmですよ〜」と教
えてくれました。「ん??赤い屋根って、ここからは丘の上の高台にしか見えないけど、
まさか???」そうしているうちにジワジワと上り始めます。疲れた体にはかなり厳しいもの
でした。ふと福知山の最後を思い出しました。以前「上り坂、下り坂、もう一つは“まさか”」
と言われた方がありましたが、これが“まさか”でした。
“まさか”を上りきった総社北公園陸上競技場のトラックの中に35km関門がありました。関門
を過ぎて200m先のトラック上に給水所があり、マラソンで陸上競技場のトラックを走るのはス
タート・ゴール以外の途中では初めての経験でした。陸上競技場をあとに、周辺の住宅地を
多くの声援を受けながら下り、総社の市街地へ入るとショッピングセンター裏などを通りJR総
社駅前に到着します。駅前ロータリーが40km地点で給水所が設置され、観衆からは「お帰り」
の声がかかり、ようやくゴールが見えてきた感がしました。JR伯備線の線路沿いの道に出た
地点が「あと2km」。残りは最後の頑張りで、スタートしたスポーツセンターへ向かうのみです。
正面に体育館が見えてくるとフィニッシュ間近です。
以上ですが、興味のある方は、山陽新聞や総社市のホームページに掲載されていますので
ご参照ください。複雑な、しかも終盤のアップダウンを含むコースは、自己ベストを狙うランナ
ーには少々不向きかもしれませんが、歴史と温かい地元の人々との触れ合いを感じながら走
るには良い大会でしょう。当日は、前日に引続き好天で、最高気温は15℃と4月上旬の陽気
になりました。途中、コース脇に横たわりスタッフに手当を受ける光景が数ヶ所で見られました。
軽い熱中症を発症した可能性がありますが、特に後半の給水は5km毎ではなく、もう少し短
い間隔で、しかも給食を兼ねたエイドステーションの設置が望まれます。また、1km毎の距離
表示までは必要ないと考えますが、関門を設定しているのであれば、その場所に看板などを
設置するべきでしょう。今回の関門は14km・27km・35kmですから、35kmは別にして、この位
置を大きくハッキリ示すことにより、直前に通過するランナーが目印にできますし、それ以外の
ランナーにとっては距離表示の一つとしても活用できるというメリットがあります。
筆者は、父親の実家が国分寺から南へ約5kmの所にあるという個人的な縁もあって、デジカ
メを持って撮影しながら楽しく参加しました。今後は、前段の課題が改善されることを期待した
いと思います。それが、大会の更なる発展へ繋がるでしょうから。
(大会開催日:2009・1・15)
【第一弾】
人気の高さを肌で感じた!「香川丸亀国際ハーフマラソン」
2009年2月6日
2月1日、香川県丸亀市、宇多津町、坂出市を舞台に「香川丸亀国際ハーフマラソン」が開催されまし
た。今年で63回を迎える同大会は、大都市圏ではないですが、7,000人を超える参加者を集める人気大
会へ成長しました。
今回、ハーフマラソンには6,638人が参加し、過去最高を記録しました。先の「大阪ハーフマラソン」が4
,000人の参加者でしたから、その多さは特筆されます。では、その人気の秘密は?次の5点にあると考え
ました。今回は、初参加の筆者が、普通の大会レポートと違い、第三者的視点で大会を見て、体験してき
ました。
@受付
既に申込を完了した参加者の前日受付は、他の大会においても行われますが、この大会の特徴は、前日
でも参加申込を受け付けていることです。もちろん、参加者名簿には掲載されませんが、気象状況の変動
が大きいこの時期、直前まで参加するかどうか迷っているランナーには朗報です。
A招待選手
例年、豪華な招待選手を迎えるこの大会。かつては野口みづき選手、福士加代子選手や高橋尚子さんも
参加しました。今回男子では、北京オリンピック男子マラソン代表の佐藤敦之選手、今年箱根駅伝で活躍
した山梨学院大学メクボ・モグス選手に日本大学ギタウ・ダニエル選手のハーフマラソン50分台コンビなど
が参加しました。女子では、引退も表明している2007年大阪世界陸上マラソン3位の土佐礼子選手、2008
年札幌国際ハーフマラソン優勝の加納由理選手などが参加しました。更に今回は、より充実した大会を目
指して海外からも選手を招待し、大会名称にも「国際」の文字が入りました。海外からは、北京オリンピック
女子マラソン6位のマーラ・ヤマウチ選手などが参加しました。
こうした世界でも活躍するトップアスリートを招待することにより、ランナーは同じ舞台を体験でき、沿道での
応援が増えて一層盛り上がる波及効果が考えられます。今年の特別ゲストは高橋尚子さん。前日に丸亀
スタジアムで開催された「ジョギング教室」でも人気。また当日はハーフマラソンの選手をスタート地点で
見送った後、最後尾からスタートし、笑顔で「皆さ〜ん、頑張って走りましょう!!」と言いながら走り、沿
道でも大人気でした。ちなみに軽いジョギングでしたが、1時間26分10秒でゴールしたと、新聞に報じられ
ていました。
Bコース
丸亀市、宇多津町、坂出市3市町の市街地を貫く幹線道路である県道33号線を完全に交通規制するコ
ースで、スタート後の約1kmとゴール前の約1kmを除いて、完全往復コースです。宇多津町から坂出市の折
り返し地点まで、細かいアップダウンが数ヶ所ありますが、全体にフラットで走りやすいコースでした。スター
トは、6,000人を超えるランナーがスムーズにスタートできるよう、競技場南側の国道11号線を通行止めにし
て行われました。スタート時のロスタイムをなるべく少なく、という工夫です。それでも、最終ランナーがスター
トラインを通過したのは3分50秒後だったとのことです。メインコースは完全往復ですから、ランナーにとって
は折り返して来るトップアスリートの走りを見ることができ、沿道ではトップの凄さと、我々のような最後まで諦
めない市民ランナーの頑張りまでを体感できる場として定着しているようでした。
筆者も前週の「大阪ハーフ」に続いての大会参加で、8km付近から足は既に限界に達していましたが、途
切れることがない沿道の応援に助けられて最後まで粘りの走りができました。沿道では15万3,000人が応援
していたとのことでした。
また、ゴールにも工夫がありました。ゴール会場の県立丸亀競技場は、メインスタンドが2階建てで、バック
スタンドと合わせると恐らくは2万人は収容可能と思われる大きなスタジアムです。競技場が目前に見える
スポーツ公園入口が20km地点ですが、ここからが一工夫。競技場まで400m程を走ってマラソンゲートから
競技場に入ると、トラックを一周半してのゴールです。当日詰めかけた1万3,000人の観衆が待つスタンドの
前を走る気分は、疲れが溜まっていても自然にペースアップする、云わば「隠し味」的な演出が窺えます。
C制限時間
今回からゴール制限時間が3時間に緩和されました。途中関門も含めて、走り始めの初心者ランナーでも
参加しやすい制限時間の設定です。初心者にとって、タイムも気になるところですが、何よりハーフマラソン
を完走できたという自信は、次へのステップアップへの大きな糧になります。また、ハーフマラソンでペース
メーカーが付いていたのは、筆者は初めてでした。1時間30分から3時間まで30分間隔で走っていました。
四国電力蒲、上部員などが務められたということでした。これも、特に初心者ランナーには心強い味方にな
ったでしょう。ただ、2時間のペースメーカーの方は、かなりペースが速かったようですが・・・
Dスタッフ
実行委員会スタッフやボランティアスタッフが支えになっているのは、他の大会と同じですが、今回目立っ
ていたのは高校生でした。スタート時のランナー集合場所の整理、沿道での観客整理や、ゴール地点での
出迎えなど、陸上競技部員と思われる高校生が多数支えてくれていました。特に沿道で観客整理にあた
っていた高校生は、常に「ファイト!」「がんばれー!」「あと少しでゴール、最後まで頑張って!」な
どと声を掛けてくれて、多くのランナーが力になったと思います。高校生にとっても、外側から大会を見るこ
とによって、次に自らが大会で走る際に「感謝の気持ち」や「応援の大切さ」を学べたでしょう。
※以上の体感には、個人差がありますので悪しからずm(__)m(^-^;)
少し「持ち上げ過ぎ」ましたかね??要望としては、JR丸亀駅への帰りのシャトルバスの台数が少なか
った点でしょうか。ハーフマラソンで参加するには遠く、費用を考えると少々行き難いですが、機会があれ
ば一度参加されては如何でしょうか。そうそう、走った後には美味しい本場「讃岐うどん」も待っています
よ。筆者は来年も参加候補にしていますが、「大阪ハーフ」後の調整が難しいと感じています。
(大会開催日:2009・1・11)