比 良 山 系 縦 走 !

第327号
比 良 山 系 縦 走 !
2012年5月25日
AAC会員
本地敏行氏

交通機関
JR東海道線始発電車〜(6:29)京都(6:31)〜安曇川(6:31)
江若バス安曇川(7:47)〜朽木学校前(8:15)
道具食糧
水(1.5Lと予備2.8L)、レスキューシート、ホイッスル(滑落時の救難用)、方位磁石、クマ鈴
アーミーナイフ(10得ナイフ)、ヘッドライト、ファーストエイド用品
着替え、タオル、ウインドブレーカー、雨合羽
食事(おにぎり、飴、菓子、チョコ、粉体栄養剤その他)総重量7.5kg
走路行程
朽木学校前8:20〜蛇谷ガ峰(901.7m)9:30〜須川峠10:00〜横谷峠10:15〜地蔵山
(789.7m)10:33〜イワクタ峠11:00〜釣瓶岳(1098m)11:30〜武奈ヶ岳(1214.4m)12:00
〜イブルギノコバ12:30〜金糞峠13:00〜南比良峠13:25〜烏谷山(1076.7m)13:50〜
比良岳(1051m)14:07〜琵琶湖バレイ(打見山1108m)(自動販売機あり)14:40〜
蓬莱山(1174.2m)15:14〜小女郎峠15:26〜ホッケ山15:36〜権現山(996m)15:50〜
霊仙山登山口16:17〜JR和邇駅17:20(約40km弱)
事前考察
決行の日の天気は数日前から観察しており、上手く天候のとても良い日を選ぶことが
できた。JR大阪〜京都間の休日切符も何日か前から用意している。今回の縦走は一
般的なトレイルランとは違い、それには向かないコースと理解した上での決行でした。
トレイルランで携行していくべき道具や荷物や水の量を何度も今回のコースを想定し
ながら準備を行なった。
個人的なトレイルランの基本的な考えがある。それは「自己完結」。昨今、スポーツブ
ームのあおりを受け、山道林道を走る老若の男女の姿を多く見かける。しかし、その
多くのトレイルランナー達は雑誌などの影響を受け、ウエア等のファッション性だけを
追求し、安全に楽しむという考えをおろそかにしてはいないか?と疑問に感じている。
山はとても危険で、何が起こるか分からない。トレイルランは言葉通り早歩きや走り
で林道や山道を進むため、徒歩の登山より多くの危険が伴う。またそのような行為を
目的としているため、行動中(行為中)の快適さを求めるあまり装備も軽装になりがち
になるため安全性が損なわれてしまう傾向がある。
集団で走ることも遠まわしでトレイルランや登山を安全で楽しむことを少しは意味して
もいると思う。私的な「自己完結」という言葉の認識を話すと、どのような事象(事故)
に遭遇しても自己の責任で処理し、完結が出来、無事に山を降りることができること
と考えている。山では危険も多く、足をくじく。転倒する。崖などで滑落する。道に迷う。
危険動物(昆虫)に出会う。食料(水)が底を付きダウンする。大きな事故を上げると
骨折や死亡なども考えられる。そのような事故が発生すると山ではすべて自己責任
となり、レスキューを呼ぶにしても多額の費用がかかる。そのような場合には山岳保
険などに入ることも考えの一つである。
今の世の中、安全というものは与えられるもの?あるもの?集団でいれば安全?常
に誰かを頼ればいいと考えている?安全を少し軽く見られるようになったと思います。
では今回の手記の冒頭で書いた、比良縦走はトレイルランには向かない理由は、コ
ースの途中に水場や自動販売機がないこと。(自動販売機や食事は(びわ湖バレイ)
打見山のみ)途中で事故に遭遇しても車道までは自力で山を降りなければならない。
六甲山では周遊バスやケーブル、場合によってはタクシーや救急車も呼ぶことができ
るが、深い山に入るとそれができない。今回のコース取りもロングコースため集中力
がとぎれる可能性もあり、おもわぬ事故を招く可能性がある。
トレイルラン
朝はJRの始発に乗り、朽木学校前バス停に到着するまでに約3時間弱もかかった。
その後、朽木温泉てんくう(登山口)までは無料バスもあったが、さらに1時間もの
間、朽木学校前バス停で待たなければならない。同じ江若バスで乗り合せたほかの
登山者は横のローソンに立ち寄ったりしてそのバスを待つ様だが、私は登山口近くま
ではたったの2.5km程度だったので走ることにした。バス停から登山口まではたい
した登りはなかったが、登山口から蛇谷ガ峰までは菊水山を想像させるくらいに階段
ばかりで勾配もきつい。菊水山は高低差こそたいしたこともないが、今回の高低差
(約600m)はかなり堪えた。朝の柔らかい木漏れ日の中で重い足を進める。ハウチ
ワカエデ?オオタヤメイゲツ?イワウチワ?早歩きのため判別も上手くできなかった
が、木々やカエデの葉などは日常で見ることができないものも多く見られ、関西の山
と違うことを目で実感でき、先の山々がとても楽しみになった。
蛇谷が峰では360度ビューで琵琶湖や田園風景も遠くまで見ることができ、通りすぎ
る風も冷たくてとても気持ちがいい。今回のトレイル全工程で一つ言える不快なこと
は、どの場所でもハエ、アブ、蜂が多数いること。景色はいいものの、視界を飛び回る
小昆虫を無視しなければならない。
その先から地蔵山をすぎるくらいまでは峠続き(標高が低め)のため、景色の展望は
少ない。展望がない場所は不人気のようで、人の行き来も少なくなりがちになり、結
果山道(足の踏み跡)はところどころ確認できなくなるため、何度も道に迷った。昔
(過去)に、ほかの登山者が巻きつけたと思われる木々に巻かれたカラーのビミール
テープ(コースを意味している目印)を辿り、全く違う方向へ降ろされた苦い経験があ
る。今回も一応はビニールテープも参考にし、そのほかに持参した地図も参考にした。
地図に書かれている登高線の形状で尾根や谷(沢)の線図の確認し、実際に見える
景色の地形と比較して確認しながら前に進むため、ほとんど走ることができずに立ち
止まっては方位と地図を確認する作業となった。
地蔵山からは登山者の踏み跡もはっきりしており、六甲山のように山道がUの字にえ
ぐられているため分かりやすい。おそらくここから先は景観(展望)が良いため、多くの
人が訪れているので足の踏み跡もはっきりしたのだろうと推測される。地蔵山を過ぎ
てからは視界が開け、遠くまで景色を見ることができる。ただ、日差しを遮る木々も少
なくなるため暑さをかなり感じる。イワクタ峠の木陰の下で休憩していると、武奈ヶ岳
でキャンプを予定している人に出会った。天候がいいのは珍しいらしく、武奈ヶ岳山頂
でテントを張りワインを飲みながら夜を過ごすことを目的とし、週末を山頂でのんびり
するらしい。荷物の重量も20kgくらいあるらしく、早朝からこのイワクタ峠まで十分な
時間をかけて登ってきたようだ。私自身水の心配があったので、比良山系の水場
を聞いてみたところ、比良山系にとても詳しく、金糞峠の支流は湧水のため、川の水
が飲めるらしい。(実際は水に若干の余裕があったため飲むことがなかった。)そのほ
かの川は池からの水が流れ込んでいるので飲み水に適さないことを教えてもらった。
話を楽しみ、時間も押していたので別れて急ぎ足で釣瓶山へ向かう。イワクタ峠から
は見上げるくらいに更に登る。釣瓶山を過ぎ、更に見上げる山が最高峰の武奈ヶ岳
だ。そこで大休憩をするため、釣瓶山では休憩をせずにいっきに急登を登り進めた。
比良山系で一番奥(北)に位置する武奈ヶ岳では登山者がとても多く、ここまで通過
してきて出会った人は5人程度だったが、武奈ヶ岳では正午でも有った事もあり50人
以上はいて、各々昼食をとっていた。年配の方も多く居て、今流行りの服装の若い人
も多くいる。中には私のようなトレイルランナーも2人ほどいた。沢山のハエ、アブが飛
び交う中、大休憩を行なった。
山頂の杭(名称入)を横に写真撮影してもらい先へ進んだ。初めてのコースのため雑
誌の縦走路を参考にしたこともあり、この先烏谷山まで峠続きで、八雲が原や深い木
々の山道を進むことになった。もし経験があったなら景観もよく道のりも短い別のコー
スを選んでいただろう。八雲が原(湿地帯)を過ぎ川を伝って途中その川の支流へ
入り金糞峠に向かう。八雲が原では2歳弱の子供連れの家族がいたことに驚いた。
どのようにしてここに来たのだろう?またこの場所は昔、比良山スキー場だったらしい。
いもりが多くいる八雲が原(湿地帯)や川の横には山小屋が幾つか建てられていた
が、個人が建てたため、一般登山者は利用禁止となっている。冬山では寒い中どの
ようにして登るのだろう?そのような疑問が浮かんだ。
金糞峠では10人くらいの登山者と出会い、ここでも少し話が湧いた。自分自身、江若
バス(えわかばす)(正:こうじゃくバス)を降り、朽木温泉てんくうを出発して武奈ヶ岳
を越えて来たことと、和邇駅(わに)駅までを目的としていることを話すととても驚いた
様子だった。その場にいた多くの登山者は半分は下山で半分は釈迦岳に行くらしい。
(景色がいいのかな?)ほのぼのとした時間を頂き、それから辛い2山越えに向かっ
た。若干のスタミナ切れを起こしながら烏谷山と比良岳をやり過ごすことができた。
比良岳に到達するころには琵琶湖バレイからの大音響の音楽が届いていた。音楽に
導かれ、琵琶湖バレイに続くなだらかな山道を急ぎ足で進む。琵琶湖バレイの麓まで
届くと目を疑う超急登が目の前を覆った。スキー場の急勾配である。前に進みづらく
なった足を何度も何度も休憩をしながら足を前に進め、ようやくびわ湖バレイのケー
ブル基地に到着することができた。
琵琶湖バレイは360度ビューで景色も良く、通り過ぎる風もとても気持ちいい。琵琶
湖バレイは観光地のため、沢山の人で賑わっていた。私はころがるように建屋に入
り自動販売機に向い、コーラ1本とスポーツ飲料2本(各200円)を購入しベンチに座りこ
んで休憩した。(背中の水はまだ1L残っていたが、甘いものを飲みたかった。)遠く
向こうに見える武奈ヶ岳を眺めたり、たくさんの人の行き来を眺めたり、次に向かう蓬
莱山の急登を眺めてのんびりと時間を過ごした。さすがに疲労もたまり、ケーブルで降
りようか考えたが、せっかくここまで来たので、蓬莱山に登ってから考えることにした。
100m近くあるスキー場の急勾配を何度も休憩しながら蓬莱山山頂に着いた。山道
よりもスキー場の急登のほうがはるかに辛い。蓬莱山上でも360度眺めがよく関西
200名山に選ばれる理由を納得する。ここからは権現山へ続く山道の状態も確認す
ることができた。眺めから察するに、先の山道の状態は良く、そのほとんどが下りテン
ポのため走りやすいと想像した。眺め通りにここから先の展開は背の荷物も大分軽
くなっていることもあり、速いペースで走り続けることができ、権現山までは一気に到
達できた。陽も大分傾き始めたのが心配だったので、権現山からは気をつけながら
危険な急勾配を下る。山道が林道に変わり、コミニティバス(9人乗りのボックスカー)
の停留所についた。バスを利用したかったが、残念なことに3分前に最後のバスが出
発したばかりだった。一日にたった2本で朝に1本、私がここに到着する3分前に1本
の2本。もともと和邇駅まで走る予定だったが、バスに乗ることができれば乗りたかっ
た。和邇駅まで歩いたり走ったりを繰り返し、ようやく和邇駅にたどり着くことができた。
和邇駅のトイレで着替え、一度駅を出させてもらい、近くのスーパーでビールを買い込
み、再入場させてもらい、無事帰途についた。
(大会開催日:2012・・)

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