
第340号
トランス・エゾ2012(toそうや)完走記!
2012年8月26日
AAC会員
三田博史氏
襟裳岬〜宗谷岬を走ってきました。
まず、トランス・エゾについて簡単に説明させて頂きます。
襟裳岬から宗谷岬へ向かう『toそうや』555km
宗谷岬から襟裳岬へ向かう『to えりも』545km
『toえりも』と『toそうや』を連続して行う『アルティメイト』1100kmがあります。
距離の違いを見ても分かる通り、往復しても走るルートは違います。
ステージ制で、『toえりも』、『toそうや』ともそれぞれ一週間かけて目的地を目指し
ます。ジャーニーランという形式で、自分の荷物(着替えなども)は全て自分で背負い、
前日配布される地図をみてルートを確認し、各チェックポイントを通りゴールに向かい
ます。また、節度時間という時速5.5km程度で動き続けた程度の制限時間があります。
基本的にはどんなことがあっても節度時間にはゴールに到着しなくてはならず、走れ
なかった場合でも電車やバスなどを利用して自力でゴールにいなくてはなりません。
これは節度時間の10分後には翌日のミーティングが始まるからです。
すべてのステージでエイドステーションも誘導も何もなく、全て自己責任で行います。
ですので地図が見れない方はそもそも参加してもゴールは出来ません。食事は店が
開いていればラッキーですが、飲み物や食べ物はどうしても自販やコンビニで調達す
ることが多くなります。北海道の自販はゴミ箱がなく、殻のペットボトルや空き缶も持
って走り、ゴミ箱の設置してあるコンビニなどで捨てます。
toそうや
1日目(えりも岬〜忠類)82.1kmステージ走行時間10時間55分
えりも岬は霧で遠くが見れず、この日はほとんど最後までそんな状態でした。このス
テージではエゾシカ、キタキツネや馬、牛など動物が数多く見られ、海沿いでは昆布
漁をしていて面白かったです。ただ海岸線の黄金道路というところはトンネル化され
てしまったところが多く、ガーミンが電波を拾わなかった場所が多かったです。初めて
のトランス・エゾで一日目ということもあって、快走してしまったのが反省点でしょうか。
2日目(忠類〜新得)87.2kmステージ走行時間13時間15分
この日は一日ほぼ雨でした。この日から内陸に入っていきます。高速道路を建設中
で、すこし寂しさを感じました。初めて行った幸福駅には萌えキャラもありました。
記念に切符を買いました。もちろん愛国〜幸福です。
初日を反省してゆっくり走りましたが、最後は右足の小指と人差し指、左足の小指に
水脹れが出来てました。走り終えて足が異様に赤くなっているのが気になっていました。
3日目(新得〜富良野)79.8kmステージ走行時間12時間25分
スタート前に宿の方から熊が出るかもしれないから気を付けた方が良いとのお言葉が。
村岡でもらった熊除けの鈴を持っていっていたので、スタートから使用しました。
スタート直後の狩勝峠はほぼ歩いて登りました。山頂は寒くて風が強く、じっとしてる
と震えが止まらなかったです。途中、幌舞駅という高倉健主演の『鉄道員(ぽっぽや)』
ロケ地がありました。
近くの「なんぷカレー」がおススメだと伺っていたのですが、早く付き過ぎてしまって
店の方に聞いたら営業開始は1時間後と言われたので、諦めてコンビニでカツカレー
を食べてやりすごしましたが、しばらく残念な感じが拭えませんでした。
この日から晴れてきて、景色を堪能できました。ゴール後はなぜか異様に震えが止
まらなかったので、富良野ワインを飲んで温まりました。
3日目ですでに右足の小指と人差し指、左足の小指のマメが潰れてました。足がさら
に赤く腫れ上がっていたのでやばかったです。原因は靴紐の締め過ぎによるものと
教えて頂きました。確かに1日13時間以上走ってたら浮腫みますよね。
4日目(富良野〜旭川)66.9kmステージ走行時間10時間40分
当初中休みステージと思っていましたが、足の状態が悪化していてかなり苦戦しました。
スタート前の気温は11.8℃とすごく涼しかったです。この日は中富良野や美瑛も通り、
天気が良いこともあって最高の景色を楽しめました。さすが北海道はスケールがデカ
イです。
このステージでは新田牧場で食べ物を頂きました。様々なもの全てがメチャクチャ美
味かったですが、特にスイカの甘さには感激しました。
靴紐を緩めて走った結果、最初は好調でしたが、やはり痛めたところが痛くなり、後
半はギリギリの状態でした。
ここまで1000km以上使っていたasicsLYTERACERで走ってきましたが、クッションの
重要性が分かってきたので多少マシな寝袋とともに送っていたNIKEのZOOMSPEED
CAGE+3に履き替えました。こちらは300km程度しか使用してなくて、トライアスロ
ン用にしてたモノです。まぁどちらも底は薄いですが。既にゴール後の銭湯やラーメン
屋までの道でもまともに歩けない状態になっていました。
5日目(旭川〜美深)98.3kmステージ走行時間16時間25分
スタート3時、制限時間22時という最長ステージの山場です。スタート2時間後くらい
からしばらく大雨警報の中を走りました。天気は回復してこの日も景色を楽しめました
が、足は限界を超えてきました。最後は気力でゴールの美深温泉で食事が出来るギ
リギリの19:30にゴール出来ました。もう、足、限界、超えてます。左足の親指と人差し
指の間にもうひとつ親指くらいの水脹れが出来てたので、水抜きしました。
6日目(美深〜浜頓別)80.8kmステージ走行時間14時間05分
朝はすこし靄がかかってましたが、その後良い天気に。このステージから人があまり
住んでいない所に入ってきたので、飲み物や食べ物の調達に苦労しました。途中、
中頓別で北海道マラソンに出場すると仰っていたおっちゃんに声を掛けて頂き、ゼリ
ーを頂きました。また、日本最北の100kmウルトラマラソン、北オホーツク100kmマラ
ソンに誘われました。一回は参加したいですね。
この日はチェックポイントでもある長田牧場でしばらく休憩させて頂きました。ご主人
は中国に行っていて居られなく、奥様が色々面倒を見て下さいました。楽園でしたが、
まだ20km残っているという現実が頭から離れませんでした。前日の疲れを癒す間も
無くスタートするので、かなりきつかったです。足は相変わらずですが、しばらく動くと
感覚がなくなるので気合で乗り切りました。
7日目(浜頓別〜宗谷岬)60.7kmステージ走行時間11時間10分
いよいよ壮大な旅走りのフィナーレです。スタートはみんなでしばらく歩き、約束の場
所(橋)から走り出します。しばらくすると10kmの直線道路が出てきて牛とアブの歓迎
を受けます。両サイドは牧草地、見渡す限りまっすぐなので、かなり北海道感が出て
る場所です。直線道路が終わるとオホーツク海に出て、砂浜を2km程度進みます。
かなり泳ぎたかったですが、まだまだ先は長いので止めておきました。オホーツク海
沿いにサハリンを見ながら北へと進み、日本の端っこへ。日本最北端の地の碑を周
ってゴール!かなり感動的でした。
足がボロボロの状態で海水はマズイとの判断から海に入るのは諦めました。足は赤
ちゃんのように浮腫み、自分のものとは思えませんでした。痛さを我慢するのも終わ
りと思うとかなり気が楽になりました。
ステージ通算走行距離555.8km
ステージ通算走行時間88時間55分
ここまで一緒に走ってきたエゾラー(トランス・エゾを走る人をこう呼ぶらしい)の方々や、
クルーの方々など素晴らしい仲間と出会えて最高でした。本当に苦しく、それ以上に
楽しかったです。今度出場する際は、もっと余裕を持って全力で楽しみたいです。
身体が頑丈な方、如何ですか?早く走る必要はまったくありません。北海道を満喫
出来ること間違いなしなので、是非エゾラーになりましょう!!
P.S:Garmin910XTを使用していたので詳細データは手元にあるんですが、コースな
どネタバレになってしまうので掲載は止めておきます。是非自分の目で見て身体で
感じて下さい。
(大会開催日(toそうや):2012・8・12〜18)