
第623号
富士登山競走完走記!
2017年8月8日
AAC会員
小田 晶子氏
標高差3006m、気温差21度、制限時間4時間半。完走率は50%前後(女子完走率は
30%台)、完走するだけで「市民ランナーグランドスラム」のタイトルを一つ獲得でき
る、日本一の山岳レース。
そんな富士登山競走へのチャレンジも今年で3年目。 去年は50%と思っていた完走可
能性。今年は去年の走力まで及ばず、完走可能性は40%くらい。その足りない分を補
う為に、準備を徹底的にした。
過去2年は5合目までしか走っていない(一昨年は資格とりの為に5合目コース、昨年
は初山頂を目指すも悪天候で5合目打ち切り)ので、ブログやYouTubeで5合目より上
のコースの情報を調べまくった。そして「4時間29分で完走する」完璧なるレースプラ
ンを作成、それを丸暗記することにした。
紙に書いて持ってけばいい話だけど、これは大事なイメージトレーニング。毎晩寝る
前にチェックポイントと通過タイムを唱えて、山道をガシガシ登って行く自分の姿を思
い浮かべた。そこには、絶対最後まで諦めない、強い自分の姿があった。今の私に
出来ることは全てやったのだ。やってきたこと信じよう、絶対に絶対に完走するのだ。
久しぶりに自分を信じてスタートラインに立つことが出来た。
それでは、スタート! ……の前に、トイレはしっかりすませないとね。(笑)毎度お
騒がせのトイレ問題。(^_^;) 去年レース中に2度もトイレ行ったので、今年は胃腸の調
子を整える高くて不味いサプリを購入。デンプンに砂糖を混ぜたみたいな気持ち悪い
液体500mlをレース前5日間飲み続けたにも関わらず、スタート前からお腹の調子は
激悪。(;´д`)
【スタート~5合目】
というわけで、結局今年も中ノ茶屋でピットイン。(^_^;) ここで2分のロス。これが遅
い集団に入りこむきっかけとなったのか、その後もタイムがのびない。
五合目の関門なんて気にもしていなかったのに、応援している人たちが「この辺の人
たちは関門ギリギリだな~」とか喋ってるΣ。(゚д゚lll) 五合目通過は関門が閉まる
42秒前!もう一回トイレ行ってたらアウトやったわ。(^◇^;)
中ノ茶屋 40’40着 42’58発
馬返し 1:10’06着 1:11’07発
五合目 2:14’18 (関門2時間15分)
【6合目〜7合目】
しかし関門通過出来てよかった~とか言っている場合ではない。完走確率を計算して
いるサイトによると、馬返し通過が1時間10分超えると完走率は20%。五合目は2時間
10分過ぎると14%。2時間14分ともなると、完走出来るのはおそらくは数人、というレベ
ルになる。ということは、今周りにいる人たちのほとんどは完走出来ないという衝撃の
事実。((((;゚Д゚)))))))
けど、頭が絶望的と考えても、気持ちは諦めてなかった。こんな時のために、過去に
完走した女子の下位5人のラップを何度も眺めてイメトレしてたのだ。関門スレスレ突
破でも、最後まで諦めなかったこの人たちは完走してる。4時間29分でも、ビリから3番
でもいいのだ。最後まで諦めなければ完走可能性はまだある。
何度もイメトレした山道をグワシグワシ登って行く。イメージの中では力強く上ってい
たのだが、YouTubeの動画で見つけた自分の姿は、まるでガニ股のペンギン。(笑)
岩場を四つん這いになって前の人の靴に顔を蹴られそうになりながら登って行く。でも
前の人について行っててはダメ。岩場も登りづらいところをガンガン攻めて人を抜い
て行く。足つりそう。足がつって動けなくなったランナーもそこらじゅうにいる。足が
つらないように細心の注意を払いながらも攻め続ける。
【8合目】
山小屋を通過するごとに暗記していた通過タイムと比較するが、4分の遅れがなかな
か縮まらない。綿密な補給計画も立てていたけど、補給を摂る余裕すらない。辛い岩
場が延々と続く。
東洋館、通過。すると借金が、2分半に縮まってる!(*⁰▿⁰*) ドキドキしながら次の山
小屋を目指す。太子館通過、借金は2’08!蓬莱館通過、借金は1’55!間違いない、
縮まってきてる、縮まってきてるんだ!!(๑˃̵ᴗ˂̵)
蓬莱館過ぎたら岩場は終わり、砂や石のゴロゴロした急斜面を歩き出す。岩場で少し
楽になってた心肺がきつくなってきた。けど、ここ、ここでしょ!トレミ15%練習の
成果を発揮するのはここしかないでしょ!スピードないけどスタミナあるのだᕦ(ò_óˇ)ᕤ
周囲の人とは明らかに違うペースでガンガン登る。ガニ股のペンギンだけど、超高速
ペンギンだ!
白雲荘通過、借金はあと20秒!元祖室通過、ついに借金がなくなり、48秒の貯金に
転じた!!行ける、行ける、飛ぶんだ、ペンギン!! 8合目関門ではなんと3’02の貯
金。信じられない。完走出来るかもしれない。8合目関門 3:51’58(制限4時間)
【9合目〜山頂】
けど、ここはマラソンで言えば30km地点、まだまだ油断禁物。明らかに空気が薄くな
ってきて、吐く息に対して吸える空気が少なくなってきた。( 〇□〇) ハァハァけど気に
したら余計苦しくなる。気付かないフリをしてペンギンは進む。 5合目から胃がムカム
カして補給出来ていなかったので、富士山ホテル前は走るのをやめて無理やりジェル
3つを口に流し込んだ。(ジェル3本お値段2000円!) イチゴ味のジェルで真っ赤に
なった口の周りを泥だらけの手袋でグイっと拭いて、ペン子は歩き続ける。口の周り
が赤かろうと黒かろうと、完走出来ればそれでいいのだ。
ペースは全く落ちない。御来光館通過、貯金3’40。迎久須志神社鳥居通過、ついに
貯金が6分に!! あぁ、完走出来る、完走出来るんだ。信じられないけど、私が、
完走出来るんだ!!あのしんどい練習が報われる時がついに来たんだ!
六甲山さん、甲山さん、ついにやったよー!ありがとう!!!
山頂で、ともこさんを見つけて、ハグ。ハグ、涙、ハグ、涙、ハグ。サブスリーしたと
きに、島田さんとしたハグを思い出した。ああ、幸せだ。
ゴール4:24’45 (制限4時間半)
出走者2391人 (男子2256人、女子135人)
完走者1209人 (男子1159人、女子50人)
完走率50.6% (男子51.4%、女子37.0%)
この後5合目までの下山がめちゃめちゃ辛かった……。高山病と脱水が原因と思わ
れる頭痛と吐き気がずーっと続き、下山しても収まらず。5時間くらいゾンビ状態……。
富士登山競走。とてつもなく過酷な大会ではありましたが、たまらなく魅力のある大会
でもありました。グランドスラムの存在を知った時、「富士登山競走があるから私には
無理やなぁ」と即座に諦めたのに。
けど、辛いことはうっかり忘れ、無理なことでもついついやってしまう。それがランナ
ーの習性。(笑) ホンマに過酷で二度と出たくないけど、ホンマにめちゃくちゃ面白い
大会だった!
これで「フルマラソンサブスリー」「富士登山競走完走」というグランドスラムの難易
度高い二種目を制覇。残る「ウルトラマラソンサブテン」目指して、またトレーニング
頑張ります。^_^
(大会開催日:2017・7・28)