
特集第9号
アイアンマントライアスロン世界選手権大会完走記!
2007年11月4日
石井英機氏
1978年開始され29回目になる本大会は10月13日ハワイ島コナで世界各国から1854名の男女プロとエイジグルーパーといわれるアマが参加して行われました。日本選手は106名で米国、ドイツ、豪、カナダ選手についで5番目に多かったです。私は3回目でしたが14時間20分33秒でなんとか完走して総合では完走者1685名中1535位、年代別23名中10位でした。アイアンマントライアスロン大会はスイム:2.4マイル(3.8Km)、バイク:116マイル(180Km)、ラン:26.2マイル(42.2Km)を競うもので制限時間は17時間です。選手は本大会への出場権利を得るため米国(フロリダ、カリフオルニア、レイクプラシッド、ユタなど)はじめマレーシア、ニュージーランド、オーストラリア、日本(長崎五島)、ブラジル、スペイン、フランス、ドイツ、スイス、カナダ、韓国などで行われるアイアンマン大会に出場し上位入賞しなければなりません。その枠(スロット)は各エイジグループ(5歳毎)の出場選手数に比例して設定され私のエイジ(65~69歳)では1~2枠です。但しローリングダウンがあり上位選手が権利放棄しますと下位選手に回ってきます。今回私は4月の豪大会に出場し1位でしたので権利を得ました。10月9日(火)小雨後曇り障害者施設でのボラを昼で終え15時かみさんと家を後にし成田空港に18時30分着、空港では65歳以上の強豪遠藤、富田、山中、汐元、滝などの各氏にお会いして歓談しました。21時15分離陸、機内でビールとワインをしっかり飲みました。所要時間は約6.5時間、時差は18時間のハワイ島へ9時40分着。入国審査は厳重、左右の人差し指と虹彩をチェックされるため延々1時間かかりました。空港をでると日は強いが乾燥しており過ごし良い。ツアーコンの武藤氏が迎えてくれてコナシーサイドホテルへ。車窓からは溶岩ばっかりたまに見える赤色のブーゲンビリアがきれいだ。ホテルはスタートとフイニッシュに近く、キッチン付の部屋は豪華でベランダからはスイムの海も見えます。選手登録にでかけると上田氏がボラをやっており助かりました。レースNo.はプロに続き高齢者から若手の順に付けられておりレースで同エージの選手かどうか判り易い。ボラは大半が妙齢のご夫人で皆さん笑顔で愛想がいい。かみさんと近くのスーパーでビール、パン、バター、チーズ、ぶどうなどを仕入れた。ホテルへ戻ると徳島の強豪芝さんとばったり。部屋でビールを飲みながらバイクの組み立てをする。17時からはアイアンマンパレードだ。アルファベット順に各国の選手がアリードライブを行進し沿道のお客さんにキャンデイなどを投げながら交歓する。プロの谷選手がオープンカーに乗り先導、日本選手と家族は20名余、新潟の石田選手はレースN0.を縫いつけたはっぴで注目を集めました。夕食は滝さん、芝さんと近くのタイ料理屋へ行く。中身がわからないので4種類を頼んで分けて食べることにしましたがなかなかおいしく成功しました。タイビールやハワイビールも楽しみました。10月10日(水)晴れ6時起床。時差ぼけはほぼなくなった。軽く朝食をとり7時スイム会場へ。既に大勢の選手が集まっていた。水温はウエットスーツなしでもOK、小さな波はあったがまずまず。約20分泳いだが行く選手と帰る選手がぶつかることなく上手によけておりさすがです。競技説明会ではウイットさんが日本語でやってくれます。河原、谷,今泉プロや強豪エイジグルーパーに会えました。遅れてきた有力選手に彼がやわらかく注意をしたが反省したいものだ。バイクとランで3回ペナルテイを受けると失格となる。特にドラフテイングのペナルテイは次のテントで4分間停止することなどの説明がありました。終了後ウイットさんに会いあらかじめメールしておいた「日本アイアンマンクラブ」の呼称の件WTCの見解は如何か聞いたがまだ返事がないが、商業目的でなければOKだろうということだった。今後ともフオローしてほしいとお願いしました。JICメンバーやその他60歳以上の選手に呼びかけ集合写真をとり17時アリードライブ先のレストラン「ウォーターフロント」で会食することとしました。ホテルに戻りメカニックの大西さんにバイクのメンテしてもらいありがたかったです。レストランは海の眺めが最高、奥さん2名と10名の選手が集まってくれました。北海道の富田氏(72歳)による乾杯、次いで自己紹介しながら歓談しおおいに盛り上がりました。10月11日(木)晴れ6時半起床。パワーバーをかじり試泳へ。海は穏やか。3角旗の舟まで往復。後で聞いたがコーヒーをもらえたという。朝食は田中氏らとカレーを食べスイム、バイク談義。芝さんとクアキニ道路を試走。強い向い風、疾走する車、不慣れな右側通行などで早々に切り上げました。ホテルに戻りベランダで眼前の海を見ながらビールを飲みましたがここではアルコール禁止であることを後で知りました。滝氏、芝さんらとカーボパーテーに出かける。入り口でバックの中に入れておいたビール2缶を没収されてしまいました。正直過ぎた(?)。料理は鳥肉、魚などでスパゲッテなし。久しぶりに会えた石丸氏と話がはずみました。NZではバイク、ランが苦しかったという。熱海の別荘に誘われました。式は現地人のたいまつダンスから始まる。プロの挨拶なし、最高齢男子79歳、女子77歳(ブダー女史)、ボランテイア5000人の代表の挨拶があった。21時には終了しました。10月12日(金)晴れ再び試泳へ。海は驚くほどきれいで熱帯魚が多く見られ300m程沖でゆうゆうと泳ぐ亀に遭遇しました。触れると高額のペナルテイという。女性選手としばし眺めました。昨日急遽買ったスイムスーツ(ウエットスーツより薄くレースで着用OK)は快適でした。12時半芝さんとバイクとギアの預託に出かけました。大勢のボラがおりバイクのチェックは待たされることなし、ギアもボラに案内され自分でラックに架けます。17時には滝氏、芝さんらと夕食。今夜はビールなし。滝氏はバイクで食べる2トレーのおむすびをつくりました。自分の倍です。20時には床に付きました。10月13日(土)レースデイ3時起床。赤飯、味噌汁などかみさんがつくってくれありがたい。4時半会場へ行きマジックで脚に年齢を示す65(子供による)と両腕にナンバーリングをしてもらいます。バイクの所に行きエアー入れと補給食をセットします。パンクの音がしました。一度ホテルへ戻りスイムスーツを着て会場へ。1800余名の選手と一緒になります。プロは約60ヤード(54m)沖で立ち泳ぎしています。黒人シンガーが国歌をおごそかに歌います。6時45分号砲一発しぶきをあげてスタートしてゆきました。スイムさて我々も7時スタートのため泳ぎ始めました。水温やや冷たく10分ほどの立ち泳ぎをするのは嫌なものです。後の方に位置しました。再び号砲が鳴り1600人余が一斉にスタート。長い一日が始まりました。日本や韓国などと違い身体に触ることは殆んどありません。海底からフロッグマン(?)が見守ってくれています。波やうねりはそれほどなくブイもよく見えましたがしばしばサーフボードに乗ったスタッフに左へ行けと注意されました。1マイル(1.6Km)沖にヨットが停泊しており観客が応援してくれます。ここを回ると復路です。46分かかりました。後半は1列に並んで泳いでいるグループを見つけ横につけて泳ぎました。スイムでのドラテイングはOKです。先頭はコースアウトしないで上手に進んでいる(はずです)のでヘッドアップなどしないで泳げ大変楽でした。次はぜひ前半からやってみようと思いました。スイムアップ時1時間39分で少々ガッカリでした。バイクラックでは若手のバイクは殆んどありませんでしたが我々エイジでは少々あり安心しました。バイクスタート直後はパラニ道路の急坂を立ちこぎです。クアキニ高速道路を往復、次々に同じエイジの選手に抜かれました。クイーンK高速道路を折り返しのハビまで(60マイル96Km地点標高646フイート194m)走ります。道の東側はマウナケア山(4200m)からのびるゆるやかな丘陵、西側は海で周囲は溶岩と低い潅木ばかりで風をさえぎるものがありません。どうも早い時間帯はなぎなのか速い選手には無風で、遅い私達には行きも帰りも強い向い風が吹くようです。いわゆるコナウインドです。約50Km地点でトッププロが折り返してきました。とても格好いいです。猛烈な横風に怖い思いをしました。ハビまで上りがえんえんと続きいいかげんにしてほしいところですが皆条件は同じですから仕方ありません。持参した梅干入り赤飯のおにぎり、羊羹、あめと7マイル(11Km)毎のエイドステーションで水、コーラ、ゲータレード、バナナなどを利用してハンガーノック、けいれんや脱水症の予防をはかりました。風があり汗はそれほどかきませんが日差しが強く頭、首や腿に水をかけました。パンクは7~8名見ました。殆んどクリンチャータイプでした。幸いパンクせずドラフテイングチェック(前後に殆んどいません)にひっかかることもなく8時間4分でバイクフイニッシュ。21回のアイアンマン中ワースト記録です。ラン着替えを済ませトイレにも行きなによりも下腿部の痛みがなく気分よくスタートできました。日本人の『がんばって』や『ヒデキルッキンググッド、キープゴーイング』などの声援がうれしいです。ケアホウまでの往復で汐元氏と遠藤氏をパスしました。赤道直下のため18時になりますと紅の太陽が水平線に沈み辺りはとっぷりと暗くなります。道路照明は殆んどありませんので折り返してくる選手の持つライトステイック(蛍光発光体)が唯一の頼りです。クイーンK道路からエネルギーラボへの道路に入り折り返し直前で凹みに左足を踏み入れ転倒してしまいました。くるぶしを痛めたたようですが何とか走ることかできました。その後も数回舗装箇所から路端へ踏み出してしまいヒヤリとしました。車のヘッドランプで道路を照らしている箇所もありましたがまぶしさで手前の路面が見にくいこともありました。速い選手には無縁ですが一般の選手にとって暗さ対策はぜひ必要だと思いました。1マイルおきのエイドステーションはオアシスです。特に暖かいスープとパンがうれしいです。よくお礼を言いながらいただきました。コナの町にきますと応援の人達から『グッドジョブ』の声が盛んにかかります。最後の直線路はアリードライブです。両側の観覧席からの大声援に感激します。日の丸をふっているかみさんを見つけ一緒に走り始めました。フイニッシュゲート直前がややスロープになっておりかみさんがバッタリ倒れてしまい皆さん大笑いでした。ラン4時間22分合計14時間20分33秒で完走できました。ボラのお姉さんにらんのレイとタオルをかけてもらいます。完走メダル、Tシャツの支給、記念撮影、バイクとギアのピックアップなどそれぞれのボラがスムースに案内してくれます。軽くストレッチをしてホテルに戻りシャワーを浴び、訪ねてきた芝さんとお互いの完走を祝してビールを飲みました。10月14日(日)晴れ6時起床、くるぶしが痛く少し腫れている。10時にキンカメに行きリザルトを見る。60歳台:三森氏2位、65歳台:滝氏3位、70歳台:小島氏3位と日本人高年齢者が好成績です。遠藤氏8位、富田氏9位、自分も辛うじて10位と夫々トップ10入りできました。部屋で滝氏、芝さんとビールを飲みながら昼食を楽しみました。やがて田中夫妻も現れ盛り上がりました。17時からのアワードパーテイではJICメンバーと同席しました。山中、石丸選手はバイク終了時点でリタイアしたという。残念だ。カーボパーテーと違いビールは飲み放題でした。料理は牛でなくターキーでした。おしゃべりをしながら充分楽しんだ後に式が始まります。まずビデオでレース前、当日のボラ、選手の活躍が紹介された。特に障害者選手の健闘に感動しました。若い選手から5位までの表彰に移ります。60歳台三森氏、65歳台滝氏、70歳台小島氏、最高齢は男子77歳、女子は71歳いずれも米選手らが壇上で表彰され我々を大いに勇気ずけてくれました。最後はプロ10位までの表彰です。女子トップはウエリントン(英国)です。長い挨拶でしたが世間に役立つこと、ボランテイアとの共生などを言っていたと思います。男子トップは豪で大人気のクリスマコーマックです。優しい話しぶりで過去の英雄マークアレンにふれていましたがよくわかりませんでした。来年の再会を期してビデオで最後の選手のゴールシーンで幕を閉じました。10月15日(月)8時ホテル発→10月16日(火)20時45分帰宅着コナ空港ではバイクのチェックなしにビックリ、男性ボーカルに合わせて美人2人がフラダンスをして楽しませてくれました。河原プロにお願いしてJICメンバーで集合写真をとりました。ホノルル経由機内ではビール、ワインをしっかり飲み無事成田着。荷物もスムースに出てきて21時前に自宅に戻りました。1.アイアンマンクラブとしての成果*日本アイアンマンクラブメンバー12名(奥さん、勧誘中の選手含め)とレース前にパーテイを持つことができ、更にレース後も一緒になって懇親を深めることができました。*106名参加した日本人中60歳以上の選手がトップ3入り3名、トップ10入り6名と大いに気をはくことができました。*ウイット氏に対して「日本アイアンマンクラブ」の呼称をWTCに質してもらうことを再度確認できました。2.大会運営*役員、ボランテイア、観客:役割が細かく決まっておりよく訓練されていまして、選手登録、車検、ギアの管理、エイドステーションでの対応、道路規制など極めてスムースだった。観客含め皆さん笑顔を絶やさなく選手を激励してくれました。*スイム:1600名余が同時スタートするのだからフローテイングに行き着くだろう。選手は身体に触れることなく誠にスマートな泳ぎっぷりに感銘しました。サーフボードのスタッフにはコース修正をていねいに指示され助かりました。*バイク:コナウインドには対応しなさいということでしょう。エイドに救われました。*ラン:バイク同様エイドに救われました。暗がりで自分以外事故はなかっただろうか?明るい周回コースにぜひとも変更してもらたいものだ。実行委員会に請願してゆきたい。3.自身*辛うじてトップ10入りできよかったです。*JICメンバーと懇親を深めることができ更に3名ほど加入の申し出をいただきました。*スイムではドラフテイングを積極的にすること。*バイクの練習量はまだまだ不足していること。など大きな成果を得ることが出来ました。次年のハワイは30周年大会です。世界ではまだまだ皆さん頑張っておられます。無理なく身体を充分ケアーしながらチャレンジしてゆきましょう。